回転寿司はなぜ安いのかという離陸点から、偽装食品に興味が行き着いた結果、手に取った一冊。
タイトルにもあるように、前半は俗に言う「代替食品」を中心に語られる。
居酒屋で口にするシシャモの大半は、別種である樺太シシャモであったり、マンダイと呼ばれる「鯛」が、実はアカマンボウという魚であったりという、いわば「別名表記」について問題が提示される。
このあたりまでは、まだよい。
名前のウソだけなのだが、話の本筋はさらに深いところへ。
スーパーの刺身、いまは原産地表示が義務付けられているため、たとえばノルウエー産のなんちゃら、モーリタニア産のなんちゃらという具合に、海外の魚介類がずいぶん入ってきていることはご存知だろう。
しかし、同じ内容の魚が、刺身盛り合わせとして売られてしまうと、事態は一転する。
「加工」がなされたことになり、原産地表示が不要となってしまうのだ。
さらにストーリーは深部に突っ込んでいく。
薬漬けの食品の実態・・・。
「子供が風邪をひいたら、養殖はまちの刺身を2~3切れ食べさせたら治る」
このエピソードが何を物語っているかといえば、抗生物質漬けにされてハマチたちが養殖されているということだ。
防腐剤に合成添加物・・・偽装だけならともかく、それが人間の体に影響を及ぼすものが残留していると知れば、恐ろしくなってしまう。
コンビニ弁当に、カップめん・・・さらには生鮮食料品まで。
もはや私たちが口にできる安全な食品などないのではないかと、オーバーではなく感じ入ってしまう。
当人はもちろん、それが子孫へも遺伝していくのだとしたら?
現代人の食生活は危険に満ち溢れている。
なんだか開けてはいけないブラックボックスの中身を垣間見たような気がした。
by anken99
| 2011-03-07 23:32
| 読書
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