2017年11月に読んだ本は15冊。
冊数こそ前月を下回ったが、ページ数は増加。
読みまくったなあ・・・という感もある。
そんななかでも特筆すべきは、待望の文庫化を果たした西加奈子さんの『サラバ』。
上中下3巻というボリュームながら、完全にその世界に引き込まれてしまう面白さ。
エンターテイメント性も高く、それでいてやさしさがあったり、さすが!と言わんばかりの内容で、文句なしでのマイ殿堂入りである。
ほかにも、柳澤健さんの新作に、池井戸作品と、読書の秋?な感じの11月であった。
11月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4342
ナイス数:127
爆笑問題と考えるいじめという怪物 (集英社新書)の感想
すげえ面白い!もっと早く読んでおくべきだったと思うに足る一冊。探検バクモンシリーズはこれまで何冊も読んできたが、新書として刊行されていることもうなづける。自分自身が子供を持ったいま、いじめ問題はより切実に感じられる。太田も言っていたが、いじめる側にもいじめられる側にもなり得るという話、尾木ママによる、いじめっ子はいじめられっ子になる確率論、これもまさに自分自身であり、非常に納得のいく話だった。いじめという怪物、退治するにはどうしたらいいんだろう。
読了日:11月02日 著者:太田 光,NHK「探検バクモン」取材班
鉄の骨 (講談社文庫)の感想
本書のテーマは談合。知っているようで、実はなんだかよく分からない談合について、よく理解することができた。初期の池井戸作品なせいか、ストーリー展開も逆に目新しい。主人公?の平太の憤り、なんとなくだが伝わってきた。正義感溢れる同僚たちは、好感を持てる登場人物たちばかり。そして池井戸作品を読むと毎回のことだが、自分自身もなんとかしなければと感じるわけだが。。。なんとかしよう。
読了日:11月05日 著者:池井戸 潤
サラバ! 上 (小学館文庫)の感想
前々から読みたかった一冊。文庫本になったが、ようやくスタート。しかも上中下の三巻じたてと、なかなかに手強い。で、読み始めたら西加奈子ワールド全開。超面白い。淡々とストーリーが進むように見えて、実は無茶苦茶ぶっ飛んでいる。人物設定、そして人物描写が素晴らしい。タイトルの意味は、ぜひ一読して確かめて頂きたい。明日、中巻買います!
読了日:11月09日 著者:西 加奈子
こんな世界に誰がしたの感想
いやいや10年以上前の作品だけど面白い!日本原論シリーズのほうが、気楽に読めるぶん日本史原論シリーズより楽しめるな。当時の世相や事件、出来事を思い出しつつページをめくるのは、なんとも味わい深い。
読了日:11月13日 著者:爆笑問題
叱られる力 聞く力 2 (文春新書)の感想
最近は陸王での熱演が光るアガワさん。ベストセラーの『聞く力』に続く第2弾は『叱られる力』だ。父上とのエピソードが満載。たしかに昭和ってこうだったなあ。豊かな人生を送るためのヒントにあふれた一冊。
読了日:11月13日 著者:阿川 佐和子
大相撲「八百長」の研究の感想
日馬富士問題が世間を大いににぎわせているなか、まさかのタイミングで一気に読了。2011年の著作だが、6年たっても、やっぱり大相撲の世界は変わらない。。。というか、そういう世界なんだから仕方がないのか。さて本の内容。大相撲スキャンダル本は数多く読んできたけれども、八百長をある意味肯定してしまっているスタンスは、なかなか印象的。ガチンコ力士と注射力士を理解したうえで、楽しむものが大相撲なのだという意見に、妙に納得。確かに、1年6場所、都合90番もガチンコ勝負をしていたら、体が持つわけはないから。
読了日:11月17日 著者:田端 良彦,相撲愛好会
2011年の棚橋弘至と中邑真輔の感想
やべえ。超面白い。柳澤健さん、次、ここくるとは。新日本プロレスを再生させた2人の物語。太陽と月。あるいは月と太陽なのか?新日本プロレスをどこまでも愛した男たちのストーリーは、暗黒期を知る人間にはたまらならい。
読了日:11月22日 著者:柳澤 健
想像ラジオ (河出文庫)の感想
2011.3.11。あの日、一瞬にして多くの人の命が奪われた。一瞬にして、平穏な日常が失われた。本書は、命を奪われた者、そして残された者との、いわば心の交流を描き、どういうふうにこれから過ごせばいいのかの一つの方法を説いてくれる。いとうせいこうさんに対するイメージが、すっかり変わった。どこまでも優しさにあふれた感動作である。
読了日:11月23日 著者:いとう せいこう
サラバ! 中 (小学館文庫)の感想
中巻も一気読み。先の読めない展開は、あまりにも面白すぎる!僕━━主人公は中学生から高校生になり、やがて大学生になり社会人に。淡々と語られるなかで、周囲の嵐のような展開に驚かされるばかり。時代背景が自分とぴったり合致しているからか、物語の世界にズンズン引き込まれてしまう。読むにもパワーがいるから、心して下巻を手にしよう。
読了日:11月23日 著者:西 加奈子
サラバ! 下 (小学館文庫)の感想
下巻も結局一気読み。冷静かつ冷めた目で生きてきた主人公が、冴えない中年世代へと突入し、時は流れる。。。そして、想像しえなかったエンディングへ。家族とは何か、信じることとは何か、そんなことを壮大なドラマを通じて伝える物語は、本の帯にあったとおりに、魂ごと持っていく物語というキャッチそのもの。優れたエンターテイメント作品であり、熱い気持ちを呼び起こし、そして人生を生きることの素晴らしさに気づかせてくれる力作だった。人に勧めたくなる一冊だ。
読了日:11月25日 著者:西 加奈子
ゴリラはいつもオーバーオール (幻冬舎文庫)の感想
以前マンガを読んだときには、どうとも思わなかったが、コラムとなると俄然面白い!渋谷、サブカルなど、当時の世相も思い出しつつ読むと、なんとも味わい深い。relax編集部でのあれこれ、中目黒のコンビニDJのエピソードがたまらない。
読了日:11月26日 著者:渋谷 直角
天才になりたい (朝日新書)の感想
やべ、面白い。読みやすくて、ついつい一気読み。南海キャンディーズ山里の自叙伝?もしかしたら才能はそれほどないのかもしれないが、前向きさ、それも陰鬱さがない感じで、だからこそ今の位置まで登りつめたんだろう。なんとも清々しい感じであった。社会に出る前の若者に読ませたいなと思わせる良書。
読了日:11月27日 著者:山里 亮太
ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録の感想
財界、あるいは政界に生きる先人たちの自叙伝はいくつも読んできたが、どうしてこうして?なぜだか共感できないというか、響かない一冊だった。銀行時代の栄光はさておき、郵政社長としての没落も含め、なぜだか他人の問題的な。。。それでもここまでのし上がってくるのだから、相当な才覚はあったんだろう。
読了日:11月28日 著者:西川 善文
爆笑問題の日本原論 世界激動編の感想
久々の再読。日本原論パート3。ちょうど2000年から2001年頃の時事問題トークだが、確かにいろいろあったなあ。。。中でも9.11はにわかには信じられない出来事だった。あとがきにあったビンラディンのお笑い芸は、終結したと祈りたい。
読了日:11月28日 著者:爆笑問題
クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書)の感想
「龍馬伝」「ハゲタカ」などを手がけた大友啓史氏による仕事論。NHK時代の上司に反発するエピソードなど、いかにもタイトルがぴったり。何かをクリエイトする人のみならず、普通の会社勤めの人にも、何かしら参考になると思う。静かに熱い・・そんな感じです。
読了日:11月30日 著者:大友 啓史
読書メーター
by anken99
| 2017-12-01 11:49
| 読書
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