A氏の感想文
2024-01-12T14:26:33+09:00
anken99
A氏的・日々の感想文
Excite Blog
2023年に読んだ本
http://anken.exblog.jp/242046199/
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anken99
読書
例年3ケタはキープし続けてきただけに、なんだか残念というよりほかにない。
2017年155→2018年146→2019年161→2020年146→2021年146→2022年110。
生活スタイルが変わったのか?
スマホいじりの時間が増えたのか?
いずれにしても2024年は、再び3ケタに乗るようにしなければいけないと痛感している。
2023年の読書メーター
読んだ本の数:84
読んだページ数:22418
ナイス数:1256
強打者 (ワニブックスPLUS新書)の感想
前作に続いて読んでみた。江夏が選ぶ強打者たち。実際に対戦したことのある打者たちは、エピソードに加えて対戦成績も収載。王、長嶋をはじめとする打者たちは、本塁打数も多いが三振数も多く、真っ向勝負を挑んでいたことがうかがわれる。目上の人はさん付け、年下の人は君付けでの記載だが、全体的に批判的な見方はなく非常にフェアな印象。見た目にそぐわず酒は飲まないという江夏こそ、実は野球が好きで好きでたまらないんだろうと思う。
読了日:01月12日 著者:江夏 豊
たぬきが見ていたの感想
PUFFYの亜美が小説すばるで連載していたエッセイのまとめ本。思えばデビューした時から知っていて、ときにはドはまりしてLIVEにも足しげく通っていたこともあったが、ワタクシが50になったのと同じように、彼女たちもそんな年になったのだなあ。本エッセイでは、娘さんとのふれあいや子育てなど、とてもほっこりする内容が満載。やっぱりデビュー当時から変わらないユルさがたまらない。それでいて、子育てをはじめとして、実は一本筋が通っていることを知ったりして、あらためてファン(時代ごとに濃淡あるが)でよかったなあと思えた。
読了日:01月16日 著者:大貫 亜美
もう時効だから、すべて話そうか 重大事件ここだけの話 (小学館文庫 い 48-1)の感想
事件系ノンフィクションライターの一橋文哉氏が、自身がかかわった数々の事件を振り返るというもの。前半はオウムにグリコ森永、三億円事件など、興味深く読めたものの、中盤以降は残忍な事件ばかりが続き、読んでいてなかなか辛いものがあった。「事項だから話す」というほどのネタではなかったかも、全体的に。
読了日:01月18日 著者:一橋 文哉
Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔の感想
台湾のデジタル大臣、オードリー・タン氏の半生に密着。幼少期からとてつもなく高いIQで周囲を驚かされ続けた天才は、なんと中卒でITの最先端の世界に身を投じる。そして女性として生きることを決めたりと、若くして閣僚になったりと、その生き方と行動はすばらしすぎる。圧倒的な行動力を持ちながら、常に対話と思いやりを重んじ、怒りを見せることもない優しき心の持ち主であることも、大きな賛同と共感を得る理由だろう。巻末には特別付録として台湾がいかにコロナを乗り切ったかのレポートも収載されていて、大変勉強になった。
読了日:01月23日 著者:アイリス チュウ,鄭 仲嵐
ドラゴン・ティアーズ――龍涙 池袋ウエストゲートパークIX (文春文庫)の感想
相変わらず面白すぎるIWGPシリーズ。ついに9作めを手にした。本作でも、マコトの活躍ぶりはますます冴えわたるばかりであるが、執筆時の世相がしっかりと映し出されていて、そのあたりも本シリーズの面白さの一つとなっている。美容系のキャッチ、非正規労働者(ホームレス)、出会い系に海外からの低賃金労働者問題と、なかなかバリエーション豊富だ。それらの要素を、見事なまでにストーリーにからめており、エンターテインメント作品として高い完成度を実現している。
読了日:02月06日 著者:石田 衣良
キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)の感想
池袋の「キング」ことタカシが、どのようにして現在の姿であるキングになったのか。その時代へと舞い戻り、若き日のタカシとマコトの独特な友情をベースに物語がつづられる。一夜にして家族を二人も失うという大きく深い悲しみは、冷徹非情なキングを生み出したということなのか?地元を心から愛するヤツらの、温かくも切ないストーリー。
読了日:02月06日 著者:石田 衣良
人志とたけし: 芸能にとって「笑い」とはなにかの感想
以前より読みたかった本なんだが、筆者の視点?見方?が自分にはまるで合わず、面白く読むことはできなかった。ただ、マキタスポーツさんはじめとする対談については、著者以外の人の言葉に読みどころがある。最後の対談では女性芸人論なども出てきて、このあたりは本題とは外れているものの、最後の最後で読みどころがあった感じ。
読了日:02月08日 著者:杉田 俊介
海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)の感想
もっと早く読むべきだった!それほどまでに面白い。限りなくフィクションに近い作品で描かれるのは、出光興産を興した男の物語。とにかく実直で行動力があり、まさに日本男子たるもの、こうあるべきだと思うばかり。その社員(店員)の誰もが、苦しい中でも生き生きと働きまくる姿には、何度胸を熱くしたことか。戦争という時代に振り回されながらも、なおも前を向き続ける石岡の姿に、大きな勇気をもらったことはいうまでもない。ページ数が上巻だけで400を超える大作だが、下巻も思い切り満喫したい。
読了日:02月22日 著者:百田 尚樹
窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)の感想
初版1984年。小学生高学年か中学生のころに、手にした記憶があるが。。。50になった今、再び手にすると、トモエ学園が現在私が暮らすエリアでのことであり、自由が丘やら九品仏、等々力といった地名が出てきて感慨深かった。昔読んだとはいえ、内容は記憶していなかっただけに新鮮。これまた小学生の子供を持つ身には、トモエ学園の教育スタイルが実に共感できることばかり。戦況厳しくなるシーンも描かれているが、そのあたりも子供目線で書かれているのでとても読みやすかった。子供にも、ぜひ読んでほしい良書だと感じた。
読了日:02月22日 著者:黒柳 徹子
走って、悩んで、見つけたこと。の感想
大迫選手のトップになるためのストイックなまでの思考には、ただただ驚くばかり。しかもそれを、中学生のころから実践してきたのだというから、やはり成功する人というのは違うんだな。本書の巻末には、読者の質問に答えるコーナーがあったが、そこでもまったく思考がブレることはない。なかなか自分には真似できない生き方だと思った。
読了日:03月09日 著者:大迫 傑
江夏の21球 (角川新書)の感想
表題作を含む山際さんの名作を新書に再集録。もう何度読んだかわからない「江夏の21球」だが、臨場感あふれる描写はスポーツノンフィクションの金字塔として、今なお色あせることはない。社会人野球、あるいは高校野球など、ときに裏方にも光を当て、なおかつ読ませる山際さんの作品は、スポーツの楽しさと魅力を再発見させてくれる。山際さんが、今やっているWBCを見たら、どんな風に描いたんだろうか。
読了日:03月12日 著者:山際 淳司
成熟スイッチ (講談社現代新書)の感想
話題になっている林真理子さんの新書。テーマは「成熟」。今回は特に感じたのだが、本人もおそらく自覚しているように、とにかく丸くなっていることがうかがえる。足し算の人生から、引き算の人生に差し掛かった年齢にあって、日大の理事長に就任するなど、まだまだ大活躍中の著者。気を張り詰めて生きている人なら、ほんの少し楽になれるかも、、というような一冊でした。
読了日:03月12日 著者:林 真理子
選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論 (講談社文庫)の感想
デヴィ夫人の半生記、、というか、女性向けの指南書(汗)。貧乏だった幼少期、そして高校に行かずに社会へ。さらにスカルノとの出会いから、圧倒的な成功を手にするあたりへのくだりは、初めて知ったことも多かった。スカルノ失脚後、自身の力で成功したようだが、そのあたりはもう少し詳しく知りたかった。ただ、美貌と愛嬌、知性をもって、大統領夫人という地位を得たような日本人は皆無なわけで、女性にとっては参考になる言葉が多いのかもしれないなとも思った。
読了日:03月18日 著者:ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
死ぬこと以外かすり傷の感想
仕事で完全に心が折れそうだったので、積ん読本から引っ張り出した次第。暴言等からスローダウンした感はあるが、これは絶好調のときに書かれた本。仕事に対する取り組み方について、すごいの一言。心が折れそうな毎日を過ごしているなかで、自分の心のベクトルが上向きになったことは間違いない事実。行動が伴っているから、言葉に説得力がある。
読了日:03月18日 著者:箕輪 厚介
海洋プラスチック 永遠のごみの行方 (角川新書)の感想
海洋プラスチック問題が取りざたされているが、それをわかりやすく整理した一冊。マイクロプラスチック・・・もはや発生させることは不可能なんじゃないだろうか。ゴミを拾う、プラスチック製品を使わない、いったい何が正しいのかをあらためて考えさせられる一冊。ただ、結局私たちは今の生活の中で、いま何をすべきなんだろうか。。。
読了日:03月31日 著者:保坂 直紀
部長って何だ! (講談社現代新書)の感想
小さな会社ながらも、自分自身も部長になって早2年。超多忙な毎日の中で手に取ってみた。著者の半生記でもあるわけだが、スパルタンな昭和的な行動・考えは、現代にはそぐわないながらも、もろ昭和人間のワタシにはとにかく納得できることばかり。がむしゃらに働いてこそ・・・なんだよな。50代を迎えた今というタイミングで、なんとなく背中を押されるような、元気になる一冊でした。
読了日:03月31日 著者:丹羽 宇一郎
弱い男 (星海社新書)の感想
一気読み。数々の野村本を読んできたが、この一冊だけは他とはまったく趣旨を異にする。ノムさんの最晩年にインタビューしたテーマは「弱い男」。愛するサッチーを失ったノムさんの口からは、とにかく弱弱しく、ネガティブな発言しか出てこない。。。ボヤキでもなんでもないノムさんの「弱さ」に、どこか寂しいものを感じた。天国でサッチーと楽しく生活していることを心より祈念します。
読了日:03月31日 著者:野村 克也
秋篠宮家と小室家 (文春新書 1350)の感想
文春がこれまでに取り上げてきた「秋篠宮家と小室家」の騒動を総括。キーマンとなる眞子さまについて、その生い立ちから性格に至るまで、非常に興味深く読めた次第。それにしても出会った男が悪すぎた・・・。そして驚いたのは、眞子さまの母である紀子さまと、小室の母が丙午生まれの同い年であるという事実。これは知らなかった。何か運命的なものを感じずにはいられない。
読了日:04月05日 著者:文藝春秋編
世界ヤバすぎ! 危険地帯の歩き方 (わたしの旅ブックス)の感想
「クレイジージャーニー」で有名なゴンザレス丸山氏の著作。以前読んだ記憶がある新書のほうは、なかなかにヘビーな内容だったが、こちらはどちらかというと、丸山氏がどのように旅にひかれていったか、取材中のこぼれ話なんかも多く、軽い感じで一気に読み進めていくことができた。丸山氏が言うところの「危険地帯の歩き方」は、われわれ一般人にも応用できそうなことも多く、知っておいて損のない話もたくさんあった。
読了日:04月07日 著者:丸山ゴンザレス
サンドウィッチマンの俺等に聞くの!?の感想
サンドウィッチマンが、赤ちゃん子育て雑誌で、まさかのお悩み相談室を連載。それをまとめたものなのだが、まあユルい感じで、面白すぎ。ちょいちょいエロ方面に流れたりもするものの、やはりそこはお二方ともお子様がいるだけに、的確で愛のある答えが心地よい。
読了日:04月08日 著者:サンドウィッチマン
SHOE LIFE(シューライフ) 「400億円」のスニーカーショップを作った男の感想
一気読み。とにかく熱かった日々の思い出がよみがえってくる!アトモスを400億円で売却した創業者の半世紀。フリーマーケットからスタートし、独自のアイデアで日本にスニーカーブームや裏原宿文化を生み出した歴史は、もうとにかくスゴイの一言。その半生とは、スニーカー文化の歴史そのものだけに、同じ時代をスニーカーに魅せられてきた一人としては、興奮とまらない歴史絵巻物とも思えた。これからのビジネス展開、そしてひと段落した感もある直近のスニーカーブームの行く末も含めて、氏の今後の取り組みにも注目したい。
読了日:04月10日 著者:本明 秀文,小池 裕貴
9月1日 母からのバトンの感想
内容を知らずに手にした一冊だったのだが、「9月1日」というワードについて、これまで全然意識したことがなかった。子供の自殺が一番多い日・・・2学期の始まり、というデータは、なんともうすら寒い思いがする。本書は、母である樹木希林さんのライフワーク的なところを、娘がおっていくというもの。さまざまな人たちとの対話から、樹木希林さんが考えていたことや行動が、時を超えて理解が進んでいくというのは感動的ですらある。不登校、引きこもり、いじめ。。。決して他人事ではない。そんな子供たちを守ることが社会には求められている。
読了日:04月18日 著者:樹木 希林,内田 也哉子
赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (文春文庫 い 47-7)の感想
久しぶりのIWGPシリーズは、スピンオフ作品。ギャンブルにおぼれ、ギャンブルで起死回生の一発を狙う男の格闘が、IWGPのメインキャラであるサルをイイ感じでかませて、ストーリーとして展開されていく。臨場感あふれる記述は、石田さんならでは。IWGPの世界観を見事に反映した作品であった。
読了日:04月18日 著者:石田 衣良
スマホ脳 (新潮新書)の感想
かなり話題になっていた本だが、ようやく手にした。その内容は、ぞっとするくらい。スマホ依存によるさまざまな影響について、事例が提示されているが、自分に当てはまることが多すぎて、怖くなってしまうくらい。気を付けないとヤバイな。。。スティーブ・ジョブスが自分の子供にiPadを使わせていないといった事実は、その恐ろしさをしっているからにほかならないということだろう。
読了日:04月21日 著者:アンデシュ・ハンセン
1999年の松坂大輔 歴史を刻んだ男たちの感想
表題作を含む野球ノンフィクションが4作品。デビュー年の松坂をクローズアップした一作も面白かったが、何よりよかったのは現オリックス監督の中嶋さんをヒューチャーした「幸せなキャッチャー」だ。現役当時に取材されて原稿化された作品なのだが、これを読むと今の日本一監督にまで上り詰めた事実がなんとも感慨深い。山田久志の薫陶を受け、さらにはダルビッシュ、そして大谷の球まで現役で受け続けたキャッチャーは、たしかに幸運。関わったピッチャーたちのコメントの数々が、とても興味深かった。他2作もGOOD。
読了日:04月21日 著者:長谷川 晶一
東京の異界 渋谷円山町 (新潮文庫)の感想
私の世代にとっては完全にラブホテル街のイメージしかない、渋谷・丸山町。その今昔物語といった感のあるルポタージュ。時代時代を、その時代を知る人に取材していくスタイルである。しかし何より、あの東電OL事件もここを舞台に起きたんだなあ・・・。現代社会の深い闇ともいうべきじけんだったが、久しぶりに詳細に触れ、その真相はいかにといった感を持った。著者は他の街でもこのようなシリーズを展開しているようなので、機会があれば読んでみたい。
読了日:04月27日 著者:本橋 信宏
時事漫才 爆笑問題の日本原論の感想
爆問の原論シリーズは愛読していたが、とんと単行本が出なくなって久し。その間も媒体は変われど、連載は続いていた模様。本書には2015-2018年の連載が収載されている。太田の妙な食いつきや、田中の絶妙な突っ込みは健在。時代を振り返るにあたって、ふたりの掛け合いは最高の教科書となることは間違いない。このスタイルは、やはり爆笑問題の王道であり、それを味わうことのできる貴重な一冊であることは間違いない。
読了日:05月07日 著者:爆笑問題
日本依存から脱却できない韓国 (新潮新書)の感想
いやあ・・・韓国すごいな。言ってることとやってることとが違いすぎる。で、結局日本とは互いに依存していると。読了のタイミングで、まさに日韓首脳会談が行われていた。隣国なんだから、もっと仲良くすればいいことずくめなんじゃないかなと思えた。
読了日:05月10日 著者:佐々木 和義
きりこについて (角川文庫)の感想
素晴らしい!まさに一気読みしてしまったが、西加奈子ワールド全開!破天荒で、どこまでも優しい登場人物たち。読むだけで元気になれるし、読むだけで心穏やかになる。主人公のきりこ、そしてラムセス2世、さらに、りせちゃんをはじめとする面々。その誰もが再びつながる物語は、西加奈子さんの作品の王道か。ストーリーに触れることはあえて避けるが、きりこの両親の我が子を思う「愛」には、大いに共感する部分があった。へとへとな毎日を過ごすワタクシにとって、西加奈子作品は、なにものにも代えがたいエネルギー飲料なのだと痛感。
読了日:05月10日 著者:西 加奈子
2023プロ野球写真&データ選手名鑑 (NSK MOOK)の感想
今年も数ある年間の中からコイツをチョイス。圧倒的なデータ量は非常に勉強になること請け合い。で、どうでもいいエピソードも満載なのも、毎年楽しませていただいている。
読了日:05月10日 著者:スラッガー
経験 この10年くらいのことの感想
アマゾンのウィッシュリストには前々から入っていたんだが、ようやく購入→精読。くりいむ上田の日々をゆるゆるとつづったエッセイ集。子供との絡みが面白かった。上田さんの子供のように、ワタクシの子供もクラスで一番面白い女子を目指してほしいばかり(笑)
読了日:05月31日 著者:上田晋也
辛酸なめ子の独断! 流行大全 (中公新書ラクレ 747)の感想
辛酸なめ子さんが斬る世相。2014年から2022年まで、2ページ1話完結で、すごく微妙なネタも含めて語っていくわけだが、いやあ時代を感じさせられるばかり。それにしてもこんなコロナだらけの世の中になってしまうとは、2014年の自分はつゆにも思っていなかったんだろうな。
読了日:05月31日 著者:辛酸 なめ子
日本進化論 (SB新書)の感想
久しぶりの落合陽一さん本。政治とテクノロジーを絡めた今後のキーワード、ポリテック。その構想はなかなか素晴らしいものではあるのだが、なかなか日本には根付きそうもない。若手論客の古市氏と比べると、全体的にはどこか穏やかな感も受ける論調。どうでもいいことだが、最近、落合陽一氏の父が、かの落合信彦氏であることを知り度肝を抜かれた。オチノブ読者ではあったが、まったくこれまで気づかなかった次第。
読了日:05月31日 著者:落合 陽一
PRIDE-プライド 池袋ウエストゲートパークX (文春文庫)の感想
定期的に読み進めているIWGPシリーズだが、気付えば10作目。すっかりファンになっている(汗)。本作でも時代を読み解いた舞台設定が秀逸。一番印象的だったのは、やはり表題作の「PRIDE」か。ただ、若者のホームレス化というテーマはさておき、レイプというハードなテーマはなかなかシビアなもので、だからこそ読み応えがあった。エンディングも悪くない。
読了日:05月31日 著者:石田 衣良
Sports Graphic Number1073号(競馬総力特集 90th 日本ダービー)の感想
NUMBER恒例のダービー特集。うっかり出てるのを失念していたものの、ダービー前日までに読了。おかげさまでダービーとれました!渡辺と和田の対談はよかったなあ。
読了日:05月31日 著者:
「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論 (集英社新書)の感想
現代プロ野球コーチ論。6人の「名コーチ」が登場するわけだが、いずれも自分はあくまでも裏方に徹してというスタンスが興味深い。「俺のときはこうやった」というのは、現代には全く合わないということ。プレーしている本人の意識をいかに変え、いかに自分が考えて行動したのかということを感じさせるかということ。複数の球団に壊れ続ける理由とは、そんなところにあるんだろう。吉井、橋上といったあたりの著述は、特に面白く読むことができた。
読了日:06月06日 著者:高橋 安幸
ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)の感想
ちょっと前に話題になった本。会社ではなく、個としての「ブランド人」を目指せというメッセージを、自身の例を踏まえて熱っぽく語り尽くす一冊。人生には遅すぎることはない・・・今すぐでも思い立ったが吉日ということなんだろう。
読了日:06月09日 著者:田端 信太郎
藝人春秋Diaryの感想
藝人春秋の最新刊をようやく読了。過去シリーズとは異なり、文春からの出版はかなわず小出版社からの刊行。そして度肝を抜く550ページ超の圧倒的なボリュームは、過去のシリーズ作と比較しても圧倒的な熱量を感じずにはいられない。それにしても、最終章の妻や殿との、まさかというべき邂逅とは、人生というもの、運命というものの意味を深く感じ入るばかりである。政治家はやっぱり似合わない。早く元気になって帰ってきてくれ!水道橋博士!俺はまだまだ藝人春秋という壮大な歴史物語を読みたいんだよ!
読了日:06月13日 著者:水道橋博士
誰かを幸せにするために 大人の流儀8の感想
久しぶりに伊集院さんの大人の流儀シリーズを手にする。出てくるエピソードやストーリーの起承転結も、これだけ読んでいるとすっかりパターン化して感じられることもあるわけだが、たまに読むとこれがまた実に味わい深い。男たるものかくあるべき──昨今のハラスメントやらなんやらで牙の抜けてしまった時代においては、やはり昭和の男の生き方のようなものは、自分にとってはしっくりくる。自分も50代になったわけだし、氏の文章や生き様に対して共感できる部分が多くなってきた気がしてやまない。
読了日:06月14日 著者:伊集院 静
小泉今日子はなぜいつも旬なのか (朝日新書)の感想
久しぶりに本棚から引っ張り出す。唯一無二の存在であるキョンキョン論。ちょうどあまちゃん終了からほどない時期に刊行されたせいか、最終章近くはあまちゃんのエピソードも多数で、フムフムとなった次第。それにしても本書ではキョンキョンが「マウントしない」からこそ、他のアイドルたちとはまったく異なる存在としてステップアップしたと断言しているのだが、その後、世間の声をものともせずに、堂々と新たなる恋&仕事に走ることになろうとは、よもや著者も思ってもみなかっただろう。同じ時代を生きる一人として、共感をもって読める一冊だ
読了日:06月15日 著者:助川幸逸郎
住宅破産 (MdN新書)の感想
35年ローンを組んでいる身としては、いろいろと勉強になることが多かった。自分自身の資産のバランスシートを作り、早急にチェックしなければ・・・。
読了日:06月23日 著者:千日 太郎
私のプロ野球80年史の感想
日本プロ野球の歴史を、ノムさんの半世紀と併せて紹介していくスタイルは、ありそうでなかったんじゃないだろうか。そういう意味では、ノムさん本としては新鮮。特にノムさんの幼少期あたりの話は、こんな時代から野球と接点があったんだ!と驚いた。
読了日:06月23日 著者:野村 克也
漫才論 - 僕が出会った素晴らしき芸人たち - (ヨシモトブックス)の感想
一気読み。昭和のニオイがプンプンする超ベテラン漫才師だけに、漫才への愛はとてつもなく深い。阪神さんとは、真逆の性格で、一緒に行動することもないほど仲が悪かったという話は、いかにも芸人らしいエピソード。テレビではなく、劇場=生にこだわるというところも、昭和っぽくていいなあ。ぜひ生で見て爆笑したいものです。
読了日:06月23日 著者:オール巨人
夢をかなえるゾウ2 文庫版の感想
1を読んでからずいぶん時間が経ったのだが、ようやく2を読んでみた。本書でもガネーシャが大暴れしているわけだが、そこはかとない愛情というか、優しさが満載。お金、幸せってなんだろうということを、少しだけ考えさせられた次第。
読了日:06月23日 著者:水野敬也
世界インフレの謎 (講談社現代新書)の感想
特異なインフレの状況にある日本の状況がよくわかった。読書というより、勉強というほうがふさわしい感じ。集中しないとなかなか頭に入ってこない&理解できない内容。
読了日:06月30日 著者:渡辺 努
フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまでの感想
本棚の整理の際に発見し、久しぶりに手にする。ひねくれ者のカシンの半生記は、やっぱりひねくれまくった人生。プロレスラーになる前の青森の光成学院時代の話が、今だったらありえない理不尽満載で、同年代としてはウンウンとうなずいてしまうことばかり。セミリタイア状態の今、カシンよ、どこへ向かう・・・。スニーカーマニア、しかも盗難されてしまったという話に大爆笑。
読了日:06月30日 著者:ケンドー・カシン
堤清二 罪と業 最後の「告白」 (文春文庫 こ 46-1)の感想
西武帝国を気づき、そして憎しみあった清二と義明の堤兄弟。本書では、清二への晩年のインタビューを通して、父や家族の事、そして仕事について振り返っていく。異母兄弟であるがゆえに、激しいライバル心を常に持ち合わせていた二人の生きざまはすさまじい。ただ、セゾンなどを通じて「文化」を作った清二は、ただの商売人ではないんだろう。義明の側から見た作品があれば、ぜひ読んでみたいと思う。巻末の解説は糸井重里氏。感謝にあふれる文章であった。
読了日:07月07日 著者:児玉 博
0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書の感想
落合陽一さんの本を最近読んだこともあって、積ん読から引っ張り出してきた一冊。自身も子育てをしているとのことだが、その落合さんが受けてきた教育環境も含めてなかなか独創的。画一的な教育ではないところから、天才は生まれるのだろう。子供のやりたいようにやらせておく。。。これがなかなかできないんだが、取り組んでいかないといけないことなんだなと、あらためて感じ入った。
読了日:07月11日 著者:落合 陽一
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)の感想
いざ読み始めた下巻も一気読み。壮大な絵巻物が、ほぼノンフィクションであることに驚きを隠し得ない。日本人としての誇り、男が人生をかけて取り組むべきことは何か、そんなことを強く感じさせてくれる極上エンターテインメント作品。間違いなくマイ本棚の殿堂入り作品。電車の中で読んでいて、あふれる涙をおさえることができませんでした。こんな人物がいたということに、ただただ驚くばかりである。
読了日:07月11日 著者:百田 尚樹
母ちゃんのフラフープの感想
とても良い本だった。ロンブー淳が、母との思い出を軸に半生を振り返る。突然訪れた母への病の宣告。限られた時間の中で、決して弱みを見せずに明るく振舞い続けるお母さまの姿に、読むワタクシの目にも涙が浮かぶばかり。それでも淳氏は、十分すぎるほどにその最後の大切な時間を最高の形で過ごせたのではないだろうか。誰にでも訪れる死、明日生きているかもわからない現実、だからこそ大切な人への感謝の気持ちを忘れてはいけない。ネガティブに取られがちな遺書へのイメージも、本書を読んでがらりと変わった。自分も遺書を書いてみたいと思う。
読了日:07月14日 著者:田村 淳
オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年 (光文社新書)の感想
すっかり強豪球団になった感のあるオリックスだが、実に25年間も優勝から遠ざかっていた万年弱小球団だった。阪急からオリックスへの身売り以降の足取りをしっかりとひも解いていくことで、現在の強さの秘密を探っていく。有名選手もさることながら、裏方にまでキッチリとスポットライトを当て、時代時代を丁寧に検証していくスタイルは、オリックスファンならずとも、非常に面白く読めた。岡田、西村、森脇といった外様監督による回想が実に興味深い。それにしても、自前で選手を育てていく近年の手法は、完全に成功した感がある。
読了日:07月26日 著者:喜瀬雅則
ぼくのボールが君に届けば (講談社文庫)の感想
伊集院さんの短編集。いずれの作品も「野球」がキーワードとなっている。親子、恋人、家族など、人間模様を書かせたら天下一品。そして今回の作品も、登場人物たちの多くが深い慈愛とやさしさにあふれている。本筋に関する“感動”には触れないが、元来の野球ファンとしてジワリとした記述に触れよう。「野球の魅力は、選手も観客もすべてが、たった一球の行方に目を奪われていること」・・・野球というスポーツの魅力に、いま改めて気づいた次第である。
読了日:08月01日 著者:伊集院 静
基本は、真っ直ぐ―― 石川雅規42歳の肖像の感想
球界最年長投手、ヤクルト石川選手のドキュメント。コロナ禍での2年間、丹念に取材を重ねている。もともとは200勝達成時に出版の予定だったというが、この2年間に焦点をあてて、まずはこの形での出版となったようだ。それだけ見るべきところが多いのだろうが、いつも冷静に語り、そして誰に対しても謙虚な姿勢を崩さない石川選手は、人間性の高さを感じずにはいられない。20年も投げ続けるタフネスぶりは、まさに小さな大投手。山本昌さんの例もあるだけに、まだまだ第一線でヤクルトを支え続け、200勝を達成してほしい。
読了日:08月10日 著者:長谷川晶一
静かに、ねぇ、静かにの感想
久しぶりに手にする本谷作品。3篇の短編集。そしてそのすべてがBAD END。エンタメ小説だから、それもまたよしなんだが、どうも暗澹とした気持ちになってしまいがちで、自分とはあまり相性がよくない作家なのかもしれない。
読了日:08月13日 著者:本谷 有希子
虚空の人 清原和博を巡る旅の感想
一気読み。鈴木忠平さん、素晴らしい。プロ野球ノンフィクションライターとして、完全に一線を超えた感がある。「嫌われた男」もよかったが、清原を追ったこの一冊も、最初の清原本以上に読み応えがあった。薬物中毒からの離脱という、とても精神的にもろい時期に取材を重ねることができたのは、やはり清原からの厚い信頼があってのこそだろう。悪しともせず、良しともしない、そのスタンスは「今の清原」をただ伝えていくというノンフィクションの本当の姿なのかもしれないと思った。それにしても「清原を使って金儲け・・・」の言葉はつらい。
読了日:08月14日 著者:鈴木 忠平
ハンパねぇ!高校野球 (小学館よしもと新書 ふ)の感想
夏の甲子園の熱戦が続く。そのタイミングで積ん読本を読み始める。そして一気読み。アメトーーク!の高校野球芸人は過去の神会であったが、その主要人物のひとりであるトータルテンボスの藤田が高校野球を熱く語る。高校野球とは、永遠に終わらない絵巻物。おふざけは一切なし。高校野球に対する藤田の熱い思いと愛が伝わって来た。各都道府県の傾向を解説する章は、実に秀逸。明日からの甲子園の熱闘が、何倍にも面白く見れそうな、そんな高校野球本でした。
読了日:08月16日 著者:藤田 憲右
天才は親が作る (文春文庫)の感想
久々の再読。初読時にはワタクシも子供がいなかったような。松坂に始まって、大谷や里谷多恵、イチロー、杉山愛など、「天才」と呼ばれたスポーツ選手たちの子育てをクローズアップ。丁寧な取材、登場する親たちの協力の下でつづられた非常に貴重な作品である。すべての親たちに共通していることは、子供の主体性を大切にし、また子供に対して時間や努力を惜しまないという点。「親も一緒に楽しませてもらった」という言葉が、非常に含蓄にあふれている。ワタクシの子供も小3。親離れも近づく年代だけに、子供と過ごす時間を大切にしたいと痛感。
読了日:08月31日 著者:吉井 妙子
向田邦子の陽射し (文春文庫)の感想
爆笑問題・太田による、向田邦子評論集。連載という形がとられたようだが、本書ではそれらに加えて、実際に太田が選んだ作品も掲載されているので、向田邦子さんは初という人にもとっつきやすいと思う。それにしても向田さんは、なんと人の機微を描くのが得意な方だったんだろう。ただ、そこに描かれているのはあくまでも「昭和」。昭和だからこそ、50代のワタクシにはとても心地よく刺さってくる気がしないでもないわけだが。向田さんが存命していたら、平成、令和と、どんな作品を作り上げていったんだろうか。
読了日:08月31日 著者:太田 光
七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV (文春文庫)の感想
定期的に読みまくっているIWGPシリーズだが、いくつか飛ばしてコチラを手にする。ネットにSNSと、世相を見事なまでに反映しながら描く池袋青春(?)群像は、時代が流れていっても全く面白さは変わることがない。本作も、いつもどおりグイグイと読み進めることになった。
読了日:08月31日 著者:石田 衣良
ラヴレターズ (文春文庫)の感想
なかなかにユニークなセレクト集。作家ほか著名人に、ラブレターを書いてもらうという趣旨。興味深いのは、ほぼすべての人が、初恋の人なり、過去の自分に立ち返って手紙を書いている点。また、人間ではない相手への手紙も少なくなく、とてもユニークであった。果たして、自分は同様の依頼を受けたのであれば、いったい誰に向けてラブレターをしたためるのだろうか。。。
読了日:09月10日 著者:川上 未映子,村田 沙耶香
告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇 (書籍)の感想
ダラダラと読了。人気YouTuberが、ネットがらみの犯罪を「告発」。それにしてもネット利用の若年化、そしてそれに伴うネットを起点とする未成年への犯罪も激増しているんだな。誰もが気軽に利用できるツールだからともいえるが、生まれたときからインターネットやスマホがある世代にとって、リアルではない出会いが引き起こす犯罪やトラブルの怖さは、われわれ昭和世代には理解しがたい点もある。子供を持つ身としては、それなりに勉強になった。
読了日:09月15日 著者:コレコレ
絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV (文春文庫 い 47-25)の感想
一気読み。やっぱりIWGPシリーズは面白すぎる!本という極上のエンターテインメントを堪能できたという思いでいっぱいだ。もはや水戸黄門的な完全懲悪のパターンが完全に確立されているわけだが、それでも世相をしっかりと盛り込んできているから、いつ読んでも古さを感じることがない。ああ、もっと読みたい!
読了日:09月15日 著者:石田 衣良
村上T 僕の愛したTシャツたち (Popeye books)の感想
村上春樹氏ならずとも、誰しもついつい溜まっていきがちなTシャツ。何を隠そうワタクシも数百枚を所有するTシャツコレクターだけに、これは楽しみに手に取った一冊。ジャンル別に分けて、それぞれのTシャツを引っ張りだしては、買った場所や時代、そのころの思い出に触れたりして・・・まさにこれこそTシャツ道。マラソン大会ものなどは、そのまま段ボール行きというものもあるなんてあたりは、ワタクシも身に覚えアリ。それにしても、各国の書店が村上氏の作品に絡めて作ったTシャツというのは激レア。この人だからこその貴重な一品だなあ。
読了日:09月30日 著者:村上春樹
amazonが成長し続けるための「破壊的思考」 (扶桑社新書)の感想
amazon japanの創成期から会社の中枢にいた筆者が、amazonという特殊かつ現代を象徴する会社とは、いかなる会社なのかを解説。読み終わるまでに、なかなか時間がかかってしまった。個人的にはAWS関連について、もう少し深く触れてほしかったというか、知りたかったという読後感。
読了日:09月30日 著者:星 健一
SHOE DOG(シュードッグ)の感想
ついに読了。ナイキとその創設者フィル・ナイトの歩んできた半生が、事細かにつづられる。この成功物語は、絶対的な信念を持ち続けてきたからこそのことなのだと、あらためて理解できた。それにしても、この世界的モンスター企業が、黎明期には日本と大いに関わりがあったことは、とても興味深い。日本人としては、ちょっと誇らしい気持ちになったのも事実である。
読了日:10月05日 著者:フィル・ナイト
アントニオ猪木 (新潮新書)の感想
猪木本は多数読んできた自分だが、この猪木本は新書という形態ながらにして、猪木の魅力を存分に引き出しているといえそうだ。というのも、そのほとんどをすでに知っている自分であっても、一気読みで面白く読めてしまったからである。スキャンダラスな部分というよりは、猪木の魅力そのものを引き出すことに注力しているのだろう。やっぱり猪木ってすげえ!とあらためて痛感してしまった。個人的には、イラクでのあれこれ、それに倍賞さんとのあれこれ、あたりのストーリーがツボでした。過去本も引っ張り出してこよう。
読了日:10月05日 著者:瑞 佐富郎
新書833 警察庁長官 (朝日新書)の感想
警察庁長官という職業をわかりやすく解説。警察と警視庁、警視庁長官と警視総監などの違いは、まったくわかっていなかった。よかったのは、歴代の警察庁長官へのインタビュー。あの國松長官を筆頭に、やはり骨太の人物が多い。警察の役割も時代と共に変わってきたが、やはり私たちの生活を守ってくれる心強い存在であることを、あらためて痛感した。
読了日:10月17日 著者:野地秩嘉
憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI (文春文庫)の感想
ギャンブル中毒に合法ドラッグ、ヘイトスピーチに、そしてノマドまで・・・。このシリーズ、そしてマコトたちを取り巻く池袋の様子も、時代とともに確実に移り変わっていく。こちら2ndシリーズの第一弾のようだが、IWGPらしい痛快なストーリー展開は、もちろん健在。完全懲悪の流れは、まさに現代の水戸黄門さながらだが、ファンにはやっぱりたまらない。まだまだ読みたいシリーズである。
読了日:10月21日 著者:石田 衣良
裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークXIII (文春文庫)の感想
最近またまたマイブームで、次から次へと読んでいるIWGPシリーズ。本作のテーマは、虐待、ネット炎上、薬物、霊感商法にヘイトスピーチ。勧善懲悪のマコトやタカシの活躍は、ほぼ毎回お約束のパターンだが、時代時代で社会問題を敏感に取り込んでいくことで、ここまで面白く新鮮に読めるものだなと、あらためて感心するばかり。最近は、結婚なんかのネタが増えてきたのも、シリーズを重ねてきた歴史なんだろう。今回はサルの登場シーンも多く、サルファンとしてはうれしかった。
読了日:10月25日 著者:石田 衣良
うたかたのエッセイ集の感想
水道橋博士のメルマガで連載を持ち始めたころから、その才能にはひそかに注目していた酒井若菜さん。そのメルマガなどでのエッセイが一冊の本にまとめられた。独特の空気感を持つ彼女だが、文章を読むと感受性の強さがとてもにじみ出ている。この本は、間違いなくゴーストライターは使っていないと思うのだが、それもそのはず、圧倒的な読書量を持つ彼女だからこそ、女優としては違う一面を甲も出せるんだろう。
読了日:10月25日 著者:酒井若菜
伝説の経営者100人の世界一短い成功哲学の感想
田原さんがこれまでにインタビューを重ねてきた数々の日本の経営者たちとの会話を振り返り、そのキャッチボールの中から、それぞれのイズムを抽出していくというような内容。これだけ多くの経営者たちに対して、対等なスタイルでぶつかっていったという人は、田原さんをおいてほかにないだろう。鋭く切り込んでいく中で、その相手である経営者たちが返す言葉というのは、やはりどれも説得力があり、決してぶれることのない、経営者たる者らしさを感じる含蓄のあるメッセージが多かった。3ページ構成になっているので読みやすさ抜群。
読了日:10月31日 著者:田原 総一朗
天才論 立川談志の凄み (PHP新書)の感想
立川一門の談慶氏が、主に二つ目に上がるまでの師匠との日々を振り返る。二つ目に上がるまで9年とは、なんとも長すぎる下積み時代であるが、なぜ天才と呼ばれた談志が、弟子に無理難題を与えてきたのか、その深い部分に大いに感銘を受けた。エキセントリックな部分がヒューチャーされがちな談志ではあるが、身近にいた弟子だからこそわかる人間らしい部分も垣間見えて、今まで以上に親近感がわいた。
読了日:11月06日 著者:立川 談慶
1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法 (PHPビジネス新書)の感想
半年ほど前に、保険代理店の友人からNISAや資産運用について散々話を聞かされたのだが、今さらながら本屋でこんな本を見つけ、わかりやすそうだったので手にした次第。老後2000万円時代に、50歳からでもしっかり資産運用をしなければとんでもないことになる。そんな危機感を持ちながら読んだわけだが、2024年からいよいよスタートする新NISAについて、実に理解が進んだ。とにかく少額でも始めてみるだけの価値はありそうだ。
読了日:11月08日 著者:中野 晴啓
さらば愛しき競馬 (小学館新書)の感想
家庭の事情とはいえ、かえすがえすも角居調教師の引退は残念過ぎる。。。前作よりも、競馬ファンの立場に立って役立つ情報やお話多数。面白い。数々の名馬を生み出した名伯楽の話は、競馬ファンにとっては楽しい限り。
読了日:11月13日 著者:角居 勝彦
Sports Graphic Number(ナンバー) 1083号 2023年 11/9 号 [雑誌]の感想
今年も来ました秋競馬特集。名馬のエピソードの思いを馳せながら、当てるぞ!!
読了日:11月13日 著者:
悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味 (講談社+α新書)の感想
ガーシーは結局逮捕されてしまったんだが、この本は出たらすぐ読んでおけばよかった。それくらいに面白い。元・朝日新聞記者が、ドバイにてガーシーに密着レポート。どこまでさらけだしたのかはわからないが、記者に心を許していただろうことは推測できる。ガーシーはともかく、その周辺の人物相関図が、とにもかくにも面白い。まさに現代の梁山泊。犯罪行為はNGだが、失敗をしてもやり直し、そして大成功を収めることができるという実例ではあると思う。それとYouTubeの緻密な戦略は大変参考になった。
読了日:11月24日 著者:伊藤 喜之
猪木伝説の真相 天才レスラーの生涯の感想
やはり猪木さんは最高だった。猪木の最晩年に、関係者たちが猪木論を語る。佐山、前田、藤波、藤原、蝶野、武藤、藤田、小鹿、北沢、天龍、石井館長、大仁田、サイモン。。。ケンカ別れしようと敵対しようと、そんな小さいことはどうでもいいという猪木の器をあらためて感じるばかり。皆が口をそろえて、猪木への感謝を言葉にするあたりは、昭和プロレスファンとしてはたまらない。不世出のレスラーであった、アントニオ猪木のいた時代を生きてくることができた幸運に私自身もあらためて感謝。
読了日:11月24日 著者:アントニオ猪木,佐山 聡,前田 日明,蝶野 正洋,天龍 源一郎,ほか
働き方 完全無双の感想
ひろゆきが語る現代働き方論。とても鋭い視点で、なるほどとうなずけること多数なのだが、メッセージのターゲットは20代あるいは30代までか。50代となってしまった自分には、もはやドラスティックな割り切りが厳しい。現役世代の終盤を迎えた人間にとっては、現状のシステムの中で、いかにうまくやりぬくかということなのだろう。なんとももどかしさが残った。
読了日:11月28日 著者:ひろゆき
大人のマナー術 (光文社新書 1249)の感想
ひさびさの辛酸さん。noteで連載していたものをまとめたもののようで、テーマは大人のマナー術。そもそもがオタク系?女子の辛酸さんだけに、一般的にはどこまで参考になるのかわからないが、独特の視点は興味深い。おりしもコロナ禍の時期に書かれたもののようで、当時は人と会うことすらはばかられる世の中になっていたこともあって、そのあたりの世相を懐かしみながら読んだ。テレワークにオンライン会議と、時代はその後すっかり変わってしまったのだが、やはりそんな時代だからこそ大切なのはフェイストゥフェイスだと痛感。
読了日:11月30日 著者:辛酸 なめ子
MUSIC 100+20の感想
HFの触れてきたお気に入りの120アルバムを紹介。2ページ1作品という構成なので、酒を飲むときに、だらだらと読み進めた。とても優しさの伝わる文体で、エラソーな感じもなく、ちょこちょことメモりながら、久しぶりに「CD」を買いたくなってきた。
読了日:11月30日 著者:藤原 ヒロシ
野村克也からの手紙 ~野球と人生がわかる二十一通~の感想
ノムさん、最晩年の作品の一つ。先輩、仲間、ライバル、後輩、教え子、そして家族。ノムさんがつづる21通の「手紙」。丸くなったノムさんの姿が垣間見える手紙は、どれも心のこもったものばかりであり、ノムさんファンとしては、とてもたまらない一冊であった。
読了日:11月30日 著者:野村 克也
納棺夫日記 増補改訂版 (文春文庫)の感想
長く積ん読状態にあった一冊だが、ようやく手にして読み進める。映画にもなるなど話題になった一冊だけに、なかなかに面白い。前半の1章、2章は、納棺夫という、世の中で必ずなければならない仕事に就きながらも、家族を含む周囲から「なぜそんな仕事を」と蔑まれるようなつらい日々での心の葛藤、そして心の変化が細やかにつづられる。吉村昭氏も無名時代に才能を見出していたというから、日記から拾い出しての構成でありながら、とても面白い。3章は宗教書?哲学書?という内容になり、自分は面白く読めなかったが、ここも評価が高いようだ。
読了日:12月14日 著者:青木 新門
ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男の感想
まさにヤフー(ジャパン)を作った男──森功氏による、その男の評伝。莫大な富を手にしたあと、趣味の世界に没頭。ついにはクラシックカーの世界で、レース中に非業の死を遂げる。幼少期からていねいな取材で、井上氏の死後に周囲を徹底的に取材。団地住まいの普通の少年が、IT長者になりうるまでのストーリーは、この時代のドリームそのもの。本人はもちろんのこと、周囲も「ならずもの」だらけで、実話とは思えないほどの波乱万丈に満ち溢れている。いまやヤフーは日本にあるのみ。一時代を築いた男の人生を堪能させてもらった。
読了日:12月18日 著者:森 功
ひとりで生きる 大人の流儀9の感想
無頼派としてならした伊集院さんも、逝去されてしまった。そんな中で、積ん読本の中から人気シリーズを引っ張り出して手にする。「ひとりで生きる」がテーマだけに、行間を読み込んでいくと、伊集院さんも随分優しくなってしまったということが垣間見える。久しぶりに読んだが、伊集院さんらしい男の背中を感じられ、やはりこんな風にかっこよくなってみたいもんだなと思った。
読了日:12月21日 著者:伊集院 静
読書メーター
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2023年10月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241969314/
2023-11-06T14:17:00+09:00
2023-11-06T14:17:55+09:00
2023-11-06T14:17:55+09:00
anken99
読書
今月は意識的に本を読もうと行動していたせいか、2桁には届かなかったものの、まあまあ本を読んだなという実感がある。
新幹線での出張時にはIWGPシリーズを耽読。
今さらながらハマっているが、エンタメ作品としての完成度が本当に高い。
10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2235
ナイス数:99
SHOE DOG(シュードッグ)の感想
ついに読了。ナイキとその創設者フィル・ナイトの歩んできた半生が、事細かにつづられる。この成功物語は、絶対的な信念を持ち続けてきたからこそのことなのだと、あらためて理解できた。それにしても、この世界的モンスター企業が、黎明期には日本と大いに関わりがあったことは、とても興味深い。日本人としては、ちょっと誇らしい気持ちになったのも事実である。
読了日:10月05日 著者:フィル・ナイト
アントニオ猪木 (新潮新書)の感想
猪木本は多数読んできた自分だが、この猪木本は新書という形態ながらにして、猪木の魅力を存分に引き出しているといえそうだ。というのも、そのほとんどをすでに知っている自分であっても、一気読みで面白く読めてしまったからである。スキャンダラスな部分というよりは、猪木の魅力そのものを引き出すことに注力しているのだろう。やっぱり猪木ってすげえ!とあらためて痛感してしまった。個人的には、イラクでのあれこれ、それに倍賞さんとのあれこれ、あたりのストーリーがツボでした。過去本も引っ張り出してこよう。
読了日:10月05日 著者:瑞 佐富郎
新書833 警察庁長官 (朝日新書)の感想
警察庁長官という職業をわかりやすく解説。警察と警視庁、警視庁長官と警視総監などの違いは、まったくわかっていなかった。よかったのは、歴代の警察庁長官へのインタビュー。あの國松長官を筆頭に、やはり骨太の人物が多い。警察の役割も時代と共に変わってきたが、やはり私たちの生活を守ってくれる心強い存在であることを、あらためて痛感した。
読了日:10月17日 著者:野地秩嘉
憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI (文春文庫)の感想
ギャンブル中毒に合法ドラッグ、ヘイトスピーチに、そしてノマドまで・・・。このシリーズ、そしてマコトたちを取り巻く池袋の様子も、時代とともに確実に移り変わっていく。こちら2ndシリーズの第一弾のようだが、IWGPらしい痛快なストーリー展開は、もちろん健在。完全懲悪の流れは、まさに現代の水戸黄門さながらだが、ファンにはやっぱりたまらない。まだまだ読みたいシリーズである。
読了日:10月21日 著者:石田 衣良
裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークXIII (文春文庫)の感想
最近またまたマイブームで、次から次へと読んでいるIWGPシリーズ。本作のテーマは、虐待、ネット炎上、薬物、霊感商法にヘイトスピーチ。勧善懲悪のマコトやタカシの活躍は、ほぼ毎回お約束のパターンだが、時代時代で社会問題を敏感に取り込んでいくことで、ここまで面白く新鮮に読めるものだなと、あらためて感心するばかり。最近は、結婚なんかのネタが増えてきたのも、シリーズを重ねてきた歴史なんだろう。今回はサルの登場シーンも多く、サルファンとしてはうれしかった。
読了日:10月25日 著者:石田 衣良
うたかたのエッセイ集の感想
水道橋博士のメルマガで連載を持ち始めたころから、その才能にはひそかに注目していた酒井若菜さん。そのメルマガなどでのエッセイが一冊の本にまとめられた。独特の空気感を持つ彼女だが、文章を読むと感受性の強さがとてもにじみ出ている。この本は、間違いなくゴーストライターは使っていないと思うのだが、それもそのはず、圧倒的な読書量を持つ彼女だからこそ、女優としては違う一面を甲も出せるんだろう。
読了日:10月25日 著者:酒井若菜
伝説の経営者100人の世界一短い成功哲学の感想
田原さんがこれまでにインタビューを重ねてきた数々の日本の経営者たちとの会話を振り返り、そのキャッチボールの中から、それぞれのイズムを抽出していくというような内容。これだけ多くの経営者たちに対して、対等なスタイルでぶつかっていったという人は、田原さんをおいてほかにないだろう。鋭く切り込んでいく中で、その相手である経営者たちが返す言葉というのは、やはりどれも説得力があり、決してぶれることのない、経営者たる者らしさを感じる含蓄のあるメッセージが多かった。3ページ構成になっているので読みやすさ抜群。
読了日:10月31日 著者:田原 総一朗
読書メーター
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2023年9月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241961356/
2023-10-26T16:43:00+09:00
2023-10-26T16:43:07+09:00
2023-10-26T16:43:07+09:00
anken99
読書
クルマでの移動、帰宅後のYouTube動画編集などに忙殺され、なかなか時間が取れない日々が続いている。。。
そんな疲れた日々をリフレッシュできるのは、やはりエンタメ作品なのか。
IWGPシリーズ、安定の面白さでした。
9月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1333
ナイス数:65
ラヴレターズ (文春文庫)の感想
なかなかにユニークなセレクト集。作家ほか著名人に、ラブレターを書いてもらうという趣旨。興味深いのは、ほぼすべての人が、初恋の人なり、過去の自分に立ち返って手紙を書いている点。また、人間ではない相手への手紙も少なくなく、とてもユニークであった。果たして、自分は同様の依頼を受けたのであれば、いったい誰に向けてラブレターをしたためるのだろうか。。。
読了日:09月10日 著者:川上 未映子,村田 沙耶香
告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇 (書籍)の感想
ダラダラと読了。人気YouTuberが、ネットがらみの犯罪を「告発」。それにしてもネット利用の若年化、そしてそれに伴うネットを起点とする未成年への犯罪も激増しているんだな。誰もが気軽に利用できるツールだからともいえるが、生まれたときからインターネットやスマホがある世代にとって、リアルではない出会いが引き起こす犯罪やトラブルの怖さは、われわれ昭和世代には理解しがたい点もある。子供を持つ身としては、それなりに勉強になった。
読了日:09月15日 著者:コレコレ
絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV (文春文庫 い 47-25)の感想
一気読み。やっぱりIWGPシリーズは面白すぎる!本という極上のエンターテインメントを堪能できたという思いでいっぱいだ。もはや水戸黄門的な完全懲悪のパターンが完全に確立されているわけだが、それでも世相をしっかりと盛り込んできているから、いつ読んでも古さを感じることがない。ああ、もっと読みたい!
読了日:09月15日 著者:石田 衣良
村上T 僕の愛したTシャツたち (Popeye books)の感想
村上春樹氏ならずとも、誰しもついつい溜まっていきがちなTシャツ。何を隠そうワタクシも数百枚を所有するTシャツコレクターだけに、これは楽しみに手に取った一冊。ジャンル別に分けて、それぞれのTシャツを引っ張りだしては、買った場所や時代、そのころの思い出に触れたりして・・・まさにこれこそTシャツ道。マラソン大会ものなどは、そのまま段ボール行きというものもあるなんてあたりは、ワタクシも身に覚えアリ。それにしても、各国の書店が村上氏の作品に絡めて作ったTシャツというのは激レア。この人だからこその貴重な一品だなあ。
読了日:09月30日 著者:村上春樹
amazonが成長し続けるための「破壊的思考」 (扶桑社新書)の感想
amazon japanの創成期から会社の中枢にいた筆者が、amazonという特殊かつ現代を象徴する会社とは、いかなる会社なのかを解説。読み終わるまでに、なかなか時間がかかってしまった。個人的にはAWS関連について、もう少し深く触れてほしかったというか、知りたかったという読後感。
読了日:09月30日 著者:星 健一
読書メーター
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2023年7月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241915887/
2023-08-31T22:02:00+09:00
2023-08-31T22:02:11+09:00
2023-08-31T22:02:11+09:00
anken99
読書
今月はわずか5冊。
疲れているのか、忙しいのか。
外勤が多くなると車だから本が読めず。疲れてくると通勤電車で本も読めずに眠りをむさぼる。
そんな毎日なのか。。。
さて、5冊と冊数は少ないながらも7月は粒ぞろい。
西武王国凋落の物語にはじまって、ロンブー淳の泣ける親子愛、そしてすっかり強くなってしまったオリックスバファローズの物語、そしてやっぱり『海賊と呼ばれた男(下巻)』。
百田作品は、やっぱりこういったスケール感にあふれる作品がダントツによい。
7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1525
ナイス数:122
堤清二 罪と業 最後の「告白」 (文春文庫 こ 46-1)の感想
西武帝国を気づき、そして憎しみあった清二と義明の堤兄弟。本書では、清二への晩年のインタビューを通して、父や家族の事、そして仕事について振り返っていく。異母兄弟であるがゆえに、激しいライバル心を常に持ち合わせていた二人の生きざまはすさまじい。ただ、セゾンなどを通じて「文化」を作った清二は、ただの商売人ではないんだろう。義明の側から見た作品があれば、ぜひ読んでみたいと思う。巻末の解説は糸井重里氏。感謝にあふれる文章であった。
読了日:07月07日 著者:児玉 博
0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書の感想
落合陽一さんの本を最近読んだこともあって、積ん読から引っ張り出してきた一冊。自身も子育てをしているとのことだが、その落合さんが受けてきた教育環境も含めてなかなか独創的。画一的な教育ではないところから、天才は生まれるのだろう。子供のやりたいようにやらせておく。。。これがなかなかできないんだが、取り組んでいかないといけないことなんだなと、あらためて感じ入った。
読了日:07月11日 著者:落合 陽一
海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)の感想
いざ読み始めた下巻も一気読み。壮大な絵巻物が、ほぼノンフィクションであることに驚きを隠し得ない。日本人としての誇り、男が人生をかけて取り組むべきことは何か、そんなことを強く感じさせてくれる極上エンターテインメント作品。間違いなくマイ本棚の殿堂入り作品。電車の中で読んでいて、あふれる涙をおさえることができませんでした。こんな人物がいたということに、ただただ驚くばかりである。
読了日:07月11日 著者:百田 尚樹
母ちゃんのフラフープの感想
とても良い本だった。ロンブー淳が、母との思い出を軸に半生を振り返る。突然訪れた母への病の宣告。限られた時間の中で、決して弱みを見せずに明るく振舞い続けるお母さまの姿に、読むワタクシの目にも涙が浮かぶばかり。それでも淳氏は、十分すぎるほどにその最後の大切な時間を最高の形で過ごせたのではないだろうか。誰にでも訪れる死、明日生きているかもわからない現実、だからこそ大切な人への感謝の気持ちを忘れてはいけない。ネガティブに取られがちな遺書へのイメージも、本書を読んでがらりと変わった。自分も遺書を書いてみたいと思う。
読了日:07月14日 著者:田村 淳
オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年 (光文社新書)の感想
すっかり強豪球団になった感のあるオリックスだが、実に25年間も優勝から遠ざかっていた万年弱小球団だった。阪急からオリックスへの身売り以降の足取りをしっかりとひも解いていくことで、現在の強さの秘密を探っていく。有名選手もさることながら、裏方にまでキッチリとスポットライトを当て、時代時代を丁寧に検証していくスタイルは、オリックスファンならずとも、非常に面白く読めた。岡田、西村、森脇といった外様監督による回想が実に興味深い。それにしても、自前で選手を育てていく近年の手法は、完全に成功した感がある。
読了日:07月26日 著者:喜瀬雅則
読書メーター
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2023年5月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241847166/
2023-06-29T13:19:00+09:00
2023-06-29T13:19:06+09:00
2023-06-29T13:19:06+09:00
anken99
読書
今年はなかなか2桁に乗せられない。
それはさておき、5もユルめに読める本が多かったな。
やはり疲れているのか?忙しすぎるのか?・・・
5月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2307
ナイス数:77
時事漫才 爆笑問題の日本原論の感想
爆問の原論シリーズは愛読していたが、とんと単行本が出なくなって久し。その間も媒体は変われど、連載は続いていた模様。本書には2015-2018年の連載が収載されている。太田の妙な食いつきや、田中の絶妙な突っ込みは健在。時代を振り返るにあたって、ふたりの掛け合いは最高の教科書となることは間違いない。このスタイルは、やはり爆笑問題の王道であり、それを味わうことのできる貴重な一冊であることは間違いない。
読了日:05月07日 著者:爆笑問題
日本依存から脱却できない韓国 (新潮新書)の感想
いやあ・・・韓国すごいな。言ってることとやってることとが違いすぎる。で、結局日本とは互いに依存していると。読了のタイミングで、まさに日韓首脳会談が行われていた。隣国なんだから、もっと仲良くすればいいことずくめなんじゃないかなと思えた。
読了日:05月10日 著者:佐々木 和義
きりこについて (角川文庫)の感想
素晴らしい!まさに一気読みしてしまったが、西加奈子ワールド全開!破天荒で、どこまでも優しい登場人物たち。読むだけで元気になれるし、読むだけで心穏やかになる。主人公のきりこ、そしてラムセス2世、さらに、りせちゃんをはじめとする面々。その誰もが再びつながる物語は、西加奈子さんの作品の王道か。ストーリーに触れることはあえて避けるが、きりこの両親の我が子を思う「愛」には、大いに共感する部分があった。へとへとな毎日を過ごすワタクシにとって、西加奈子作品は、なにものにも代えがたいエネルギー飲料なのだと痛感。
読了日:05月10日 著者:西 加奈子
2023プロ野球写真&データ選手名鑑 (NSK MOOK)の感想
今年も数ある年間の中からコイツをチョイス。圧倒的なデータ量は非常に勉強になること請け合い。で、どうでもいいエピソードも満載なのも、毎年楽しませていただいている。
読了日:05月10日 著者:スラッガー
経験 この10年くらいのことの感想
アマゾンのウィッシュリストには前々から入っていたんだが、ようやく購入→精読。くりいむ上田の日々をゆるゆるとつづったエッセイ集。子供との絡みが面白かった。上田さんの子供のように、ワタクシの子供もクラスで一番面白い女子を目指してほしいばかり(笑)
読了日:05月31日 著者:上田晋也
辛酸なめ子の独断! 流行大全 (中公新書ラクレ 747)の感想
辛酸なめ子さんが斬る世相。2014年から2022年まで、2ページ1話完結で、すごく微妙なネタも含めて語っていくわけだが、いやあ時代を感じさせられるばかり。それにしてもこんなコロナだらけの世の中になってしまうとは、2014年の自分はつゆにも思っていなかったんだろうな。
読了日:05月31日 著者:辛酸 なめ子
日本進化論 (SB新書)の感想
久しぶりの落合陽一さん本。政治とテクノロジーを絡めた今後のキーワード、ポリテック。その構想はなかなか素晴らしいものではあるのだが、なかなか日本には根付きそうもない。若手論客の古市氏と比べると、全体的にはどこか穏やかな感も受ける論調。どうでもいいことだが、最近、落合陽一氏の父が、かの落合信彦氏であることを知り度肝を抜かれた。オチノブ読者ではあったが、まったくこれまで気づかなかった次第。
読了日:05月31日 著者:落合 陽一
PRIDE-プライド 池袋ウエストゲートパークX (文春文庫)の感想
定期的に読み進めているIWGPシリーズだが、気付えば10作目。すっかりファンになっている(汗)。本作でも時代を読み解いた舞台設定が秀逸。一番印象的だったのは、やはり表題作の「PRIDE」か。ただ、若者のホームレス化というテーマはさておき、レイプというハードなテーマはなかなかシビアなもので、だからこそ読み応えがあった。エンディングも悪くない。
読了日:05月31日 著者:石田 衣良
Sports Graphic Number1073号(競馬総力特集 90th 日本ダービー)の感想
NUMBER恒例のダービー特集。うっかり出てるのを失念していたものの、ダービー前日までに読了。おかげさまでダービーとれました!渡辺と和田の対談はよかったなあ。
読了日:05月31日 著者:
読書メーター
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2023年3月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241791926/
2023-04-30T10:11:00+09:00
2023-04-30T10:11:26+09:00
2023-04-30T10:11:26+09:00
anken99
読書
仕事が車での移動が多いせいか、なかなか2桁には届かず。
そんな中での今月のイチオシは、やはり新書版となって登場した『江夏の21球』。
スポーツノンフィクションの金字塔と呼ばれる本作をはじめ、多数の作品をあらためて収載している。
息遣い、緊張感、心の動きなど、まるで現場にいるかのような感覚を覚える本作は、何度読んでもそのたびに感動を与えてくれる作品だ。
3月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1724
ナイス数:99
走って、悩んで、見つけたこと。の感想
大迫選手のトップになるためのストイックなまでの思考には、ただただ驚くばかり。しかもそれを、中学生のころから実践してきたのだというから、やはり成功する人というのは違うんだな。本書の巻末には、読者の質問に答えるコーナーがあったが、そこでもまったく思考がブレることはない。なかなか自分には真似できない生き方だと思った。
読了日:03月09日 著者:大迫 傑
江夏の21球 (角川新書)の感想
表題作を含む山際さんの名作を新書に再集録。もう何度読んだかわからない「江夏の21球」だが、臨場感あふれる描写はスポーツノンフィクションの金字塔として、今なお色あせることはない。社会人野球、あるいは高校野球など、ときに裏方にも光を当て、なおかつ読ませる山際さんの作品は、スポーツの楽しさと魅力を再発見させてくれる。山際さんが、今やっているWBCを見たら、どんな風に描いたんだろうか。
読了日:03月12日 著者:山際 淳司
成熟スイッチ (講談社現代新書)の感想
話題になっている林真理子さんの新書。テーマは「成熟」。今回は特に感じたのだが、本人もおそらく自覚しているように、とにかく丸くなっていることがうかがえる。足し算の人生から、引き算の人生に差し掛かった年齢にあって、日大の理事長に就任するなど、まだまだ大活躍中の著者。気を張り詰めて生きている人なら、ほんの少し楽になれるかも、、というような一冊でした。
読了日:03月12日 著者:林 真理子
選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論 (講談社文庫)の感想
デヴィ夫人の半生記、、というか、女性向けの指南書(汗)。貧乏だった幼少期、そして高校に行かずに社会へ。さらにスカルノとの出会いから、圧倒的な成功を手にするあたりへのくだりは、初めて知ったことも多かった。スカルノ失脚後、自身の力で成功したようだが、そのあたりはもう少し詳しく知りたかった。ただ、美貌と愛嬌、知性をもって、大統領夫人という地位を得たような日本人は皆無なわけで、女性にとっては参考になる言葉が多いのかもしれないなとも思った。
読了日:03月18日 著者:ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
死ぬこと以外かすり傷の感想
仕事で完全に心が折れそうだったので、積ん読本から引っ張り出した次第。暴言等からスローダウンした感はあるが、これは絶好調のときに書かれた本。仕事に対する取り組み方について、すごいの一言。心が折れそうな毎日を過ごしているなかで、自分の心のベクトルが上向きになったことは間違いない事実。行動が伴っているから、言葉に説得力がある。
読了日:03月18日 著者:箕輪 厚介
海洋プラスチック 永遠のごみの行方 (角川新書)の感想
海洋プラスチック問題が取りざたされているが、それをわかりやすく整理した一冊。マイクロプラスチック・・・もはや発生させることは不可能なんじゃないだろうか。ゴミを拾う、プラスチック製品を使わない、いったい何が正しいのかをあらためて考えさせられる一冊。ただ、結局私たちは今の生活の中で、いま何をすべきなんだろうか。。。
読了日:03月31日 著者:保坂 直紀
部長って何だ! (講談社現代新書)の感想
小さな会社ながらも、自分自身も部長になって早2年。超多忙な毎日の中で手に取ってみた。著者の半生記でもあるわけだが、スパルタンな昭和的な行動・考えは、現代にはそぐわないながらも、もろ昭和人間のワタシにはとにかく納得できることばかり。がむしゃらに働いてこそ・・・なんだよな。50代を迎えた今というタイミングで、なんとなく背中を押されるような、元気になる一冊でした。
読了日:03月31日 著者:丹羽 宇一郎
弱い男 (星海社新書)の感想
一気読み。数々の野村本を読んできたが、この一冊だけは他とはまったく趣旨を異にする。ノムさんの最晩年にインタビューしたテーマは「弱い男」。愛するサッチーを失ったノムさんの口からは、とにかく弱弱しく、ネガティブな発言しか出てこない。。。ボヤキでもなんでもないノムさんの「弱さ」に、どこか寂しいものを感じた。天国でサッチーと楽しく生活していることを心より祈念します。
読了日:03月31日 著者:野村 克也
読書メーター
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2023年2月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241765851/
2023-03-31T23:16:00+09:00
2023-03-31T23:56:14+09:00
2023-03-31T23:16:51+09:00
anken99
読書
全然ダメですな。。。
仕事が忙しすぎて、本を読む意欲も起きず・・・。
2月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1641
ナイス数:104
ドラゴン・ティアーズ――龍涙 池袋ウエストゲートパークIX (文春文庫)の感想
相変わらず面白すぎるIWGPシリーズ。ついに9作めを手にした。本作でも、マコトの活躍ぶりはますます冴えわたるばかりであるが、執筆時の世相がしっかりと映し出されていて、そのあたりも本シリーズの面白さの一つとなっている。美容系のキャッチ、非正規労働者(ホームレス)、出会い系に海外からの低賃金労働者問題と、なかなかバリエーション豊富だ。それらの要素を、見事なまでにストーリーにからめており、エンターテインメント作品として高い完成度を実現している。
読了日:02月06日 著者:石田 衣良
キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)の感想
池袋の「キング」ことタカシが、どのようにして現在の姿であるキングになったのか。その時代へと舞い戻り、若き日のタカシとマコトの独特な友情をベースに物語がつづられる。一夜にして家族を二人も失うという大きく深い悲しみは、冷徹非情なキングを生み出したということなのか?地元を心から愛するヤツらの、温かくも切ないストーリー。
読了日:02月06日 著者:石田 衣良
人志とたけし: 芸能にとって「笑い」とはなにかの感想
以前より読みたかった本なんだが、筆者の視点?見方?が自分にはまるで合わず、面白く読むことはできなかった。ただ、マキタスポーツさんはじめとする対談については、著者以外の人の言葉に読みどころがある。最後の対談では女性芸人論なども出てきて、このあたりは本題とは外れているものの、最後の最後で読みどころがあった感じ。
読了日:02月08日 著者:杉田 俊介
海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)の感想
もっと早く読むべきだった!それほどまでに面白い。限りなくフィクションに近い作品で描かれるのは、出光興産を興した男の物語。とにかく実直で行動力があり、まさに日本男子たるもの、こうあるべきだと思うばかり。その社員(店員)の誰もが、苦しい中でも生き生きと働きまくる姿には、何度胸を熱くしたことか。戦争という時代に振り回されながらも、なおも前を向き続ける石岡の姿に、大きな勇気をもらったことはいうまでもない。ページ数が上巻だけで400を超える大作だが、下巻も思い切り満喫したい。
読了日:02月22日 著者:百田 尚樹
窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)の感想
初版1984年。小学生高学年か中学生のころに、手にした記憶があるが。。。50になった今、再び手にすると、トモエ学園が現在私が暮らすエリアでのことであり、自由が丘やら九品仏、等々力といった地名が出てきて感慨深かった。昔読んだとはいえ、内容は記憶していなかっただけに新鮮。これまた小学生の子供を持つ身には、トモエ学園の教育スタイルが実に共感できることばかり。戦況厳しくなるシーンも描かれているが、そのあたりも子供目線で書かれているのでとても読みやすかった。子供にも、ぜひ読んでほしい良書だと感じた。
読了日:02月22日 著者:黒柳 徹子
読書メーター
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2022年に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241730605/
2023-02-17T22:45:00+09:00
2023-02-17T22:45:16+09:00
2023-02-17T22:45:16+09:00
anken99
読書
この1年間に読んだ本は110冊。
ちなみに近年のデータを振り返ってみると、2017年155→2018年146→2019年161→2020年146→2021年146という数字。
110というのは、ここ5年で最低の数字である。
生活スタイルが変わったのが原因なのか、それとも加齢とともに読む速度や思考が低下しているせいなのか。
いずれにしても、1カ月あたりで10冊を割ってしまっているというのは(平均9.17冊)、体たらくというよりほかにない。
2022年もスタートしているわけだが、相変わらずペースは遅く。。。
もっと本を読んで、情報のシャワーを浴び、知識と教養を楽しみながら深めていかなければ。
反省。
2022年の読書メーター
読んだ本の数:110
読んだページ数:27315
ナイス数:1402
相続地獄 残った家族が困らない終活入門 (光文社新書 1110)の感想
年始に実家に帰省したところ、父親が家の中のものの断捨離に入っていた。そんなタイミングで手にした本書、いやあ勉強になることばかり。相続と一言でいっても、負の相続もあるわけで、また、いかに健在なうちにコミュニケーションを図っておくかが大事ということがよくわかった。人間はいつかは誰しも死ぬものだから、これはちゃんとやっておかないといけない。自分自身も今年で50になるが、当然、自分の子供のためにやっておかないといけないことが理解できた。なお、森永さんの趣味のB級品集めの話があったり、読みやすい一冊。
読了日:01月07日 著者:森永 卓郎M 愛すべき人がいて (幻冬舎文庫)の感想
軽く読めてアッという間に読了。浜崎あゆみと松浦勝人との「フィクション」とのこと。あゆの成り上がりぶりは、まさにジャパニーズドリーム。それが女子たちの共感を呼んだ理由らしい。1点、かつて噂のあった長瀬氏とは、いったいどの時代に付き合っていたのだろうか。
読了日:01月12日 著者:小松 成美「言葉」が暴走する時代の処世術 (集英社新書)の感想
ひとえに「言葉」といっても、会話と文字とでは、伝わり方に大きな差がある。SNSやメール全盛のいま、若者たちは会話をしなくなり、だから先日の東大刺傷事件などもおこってしまうわけで。文字だけだと単一な情報しか伝わらないが、会話は間であったり、表情であったり、細かな情報であったり、さまざまな情報から伝達する手段なのだということがよくわかった。それと著者の山極さんは、ゴリラ研究の大家とのこと。ゴリラの生態についても大変勉強になりました。
読了日:01月18日 著者:山極 寿一,太田 光すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)の感想
堀江さんが教育を語る?! そんなちょっとした興味で手にした一冊。日本の学校教育=洗脳、というのは少々極端だが、会社という枠にしろ、貯金指向にしろ、だんだんと堀江さんの論説にこちらが「洗脳」されていく(汗)。とはいえ、やっぱりこの人の思考はシンプル。要はやりたいことを躊躇なく今すぐやればいいじゃんってこと。無謀さとはまた違う。仕事でなんとなく行き詰っているタイミングで堀江さんの本を読むと、やっぱりこのまま守りの思考じゃダメだなと、いつもながら痛感する。とにかく行動、実行することだ。死ぬわけじゃないんだから。
読了日:01月20日 著者:堀江 貴文14歳 (幻冬舎よしもと文庫)の感想
たまんないな!単行本は随分前に読んでいたが、今度は文庫版。やはり名著。引きこもり中学生だった千原ジュニアの自伝。もやもやとした思春期特有の心の機微の描写が絶妙だ。他人と違うことは、悪いことじゃないんだ。つらつらと綴られる引きこもりの日々からの脱却。兄である千原せいじの振る舞いや言葉に感涙。せいじさんのように、かっこよくなりたい。
読了日:01月21日 著者:千原ジュニアこの素晴らしき世界の感想
東野幸治の週刊新潮連載コラムをまとめたもの。文春派なんで、そんなコラムがあったのは知らなかったが、これはなかなか面白い。テーマは芸人の紹介。後輩から先輩まで、毎回さまざまな芸人を1人ずつ取り上げるスタイルだが、同じ芸人だからこそ知りえる内容も多く、ときに笑いながら楽しむことができた。そのどれもが愛情にあふれている内容で、東野さん本人にすら好感を覚えた次第。
読了日:01月26日 著者:東野 幸治新聞記者 (角川新書)の感想
映画化もされ、以前から話題になっていた本をようやく手にする。望月記者の存在は知っていたが、その人となりについて理解することができた。新聞記者としての矜持が、あの舌鋒鋭い質問攻めにいたっていたというわけか。すべてが素晴らしいとは思わないが、その行動力には見るべきものがある。ただ、ちょっと意見が偏りすぎ?頭が堅すぎ?の感を覚えたのも事実。
読了日:01月29日 著者:望月 衣塑子これでもいいのだ (単行本)の感想
ジェーン・スーさん初読み。前々から気になっていたのだが、なるほど、ラジオのパーソナリティーとして人気を博するわけだ。本書は40代女子が淡々とつづる日常・・・といったコラム集なわけだが、肩ひじ張らない感じが絶妙。酒井順子さんも愛読しているが、より世代が近い(1973年生まれ)ということもあって、取り上げられるテーマだとか、考え方やとらえ方、あるいは昔話のあれこれが、当事者として伝わってくる。1973年生まれと、ジェーン・スーさんと同じ年のヨメも、ちょこちょこと読んでいたようで、面白いと絶賛していました。
読了日:01月30日 著者:ジェーン・スーamazon 世界最先端の戦略がわかるの感想
ようやく読了。Amazonという巨大企業の今、そしてこれからについて、非常によくまとめられている。自分を含む一般人にとって、Amazon=物販サイトという認識が大半だろうが、そのビジネスの大半はAWSをはじめとする多業種にわたっている。ネット、物流、小売・・・生活のすべてがAmazonに支配される日は、もはや遠い将来のことではないだろう。これから先、どういったところに矛先を向けていくのかも含めて、目が離せない巨大企業である。
読了日:01月30日 著者:成毛 眞人間失格 (新潮文庫)の感想
人間失格•••何十年ぶりだろうか、本書を手にしたのは。自叙伝とも言える本作の連載スタート直後に、太宰は入水自殺を遂げた。ある意味、これは弱き人間の遺書なんだろう。退廃的でありながら、どこか憎めない一人の男の独白は、時代を超えてリアリティを感じさせる。
読了日:01月30日 著者:太宰 治野村の遺言 (小学館文庫)の感想
野村監督をしのぶ会にて頂いた一冊。じっくりと味わわせてもらった。内容はノムラの考えの総括というか、名著『野村ノート』に通じる部分も多数。バッターへの配球についての考察は、あらためて読むと大変勉強になるばかりで、思わずスマホゲーム「プロスピ」で活用してしまった。考える野球を実践してきたノムさんだが、巻末に収載された山崎との対談が最高。師弟で交わす言葉の数々に、胸を熱くすることしきり。しのぶ会でも思ったが、結局のところ、この人は「情」の人なんだろう。ノムさんの遺言、これからもたまに読ませていただきます。
読了日:02月07日 著者:野村 克也倍賞千恵子の現場 (PHP新書)の感想
「男はつらいよ」のすばらしさにあらためて気づいた昨今。そんなタイミングで手にした一冊。さくら、いや倍賞千恵子さんが、半生を振り返る。男はつらいよはもちろん、彼女が出演してきた数々の作品でのエピソード多数。さくらそのものといった、身近にいそうなキャラクターは、今さらながら大変な親近感を覚えた次第である。飾らない性格は、実生活でもそのまま。本書を執筆したのは70歳!を過ぎたころとのことだが、にわかには信じがたい。「幸せの黄色いハンカチ」にしろ、この人なくして成り立たない作品多数。あらためて見直していこう。
読了日:02月09日 著者:倍賞 千恵子されど人生エロエロ (文春文庫)の感想
くだらないけど、笑えるエロエッセイ。いやこじらせ男子のエロにまつわるエピソード集?そんな趣の連載エッセイをまとめたものだ。なにしろ毎回「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。」の一文から始まる。いやあ、激しく同感。でも、みうらじゅんさんのエピソードからしたら、自分なんてマイナーリーガーそのものだなあ。気づまりする毎日の中で、脱力して読めるグッドな一冊でした。
読了日:02月18日 著者:みうら じゅんジェフ・ベゾス アマゾンをつくった仕事術の感想
発行は2014年と前になるが、非常によい一冊。ジェフ・ベゾスという稀有な成功者が、どんなことを考え、どんなふうに行動してきたかを理解することができた。ネット、そして本の流通に目を付けたところから始まって、いまやあらゆる産業を網羅しているといっても過言ではないamazon帝国だが、ベゾスがなぜ絶対君主として君臨しているのか、この本を読んで納得がいった。超がつくほどのハードワークぶり、まだまだ自分なんて青いなあと感じ入るばかり。
読了日:02月24日 著者:桑原 晃弥窓の魚 (新潮文庫)の感想
一気読み。西加奈子さん作品らしくない感じもするが、西加奈子さんらしいといえば、そんなふうにも思えなくないという感じ。2組の若いカップルが温泉旅行に。その4人のそれぞれの視点から、同じ時間軸を語らせていくという章立てはエンタメ性抜群。自分が思っていることと、他人が考えていることって、こんな感じで全然違うんだろうなあ。深い闇とまではいかないまでも、深い水の底のような雰囲気を感じる人間模様は、とても読み応えがあった。
読了日:02月25日 著者:西 加奈子トランキーロ 内藤哲也自伝 EPISODIO1 (新日本プロレスブックス)の感想
一気読み。内藤哲也選手がその半生を語る自伝。2冊に別れている前編のほうだが、とにかく面白い。新日本暗黒時代に入団、ちょうどその時期、ワタクシ自身がプロレスを見なくなっていた時期であったこともあって、初めて知ることばかりでとても興味深く読めた。現在のLIJメンバーのそれぞれが、若き日のいろいろな部分でつながっていたことを知り、なるほどと今さらながら納得した次第。これは後編も早く手に入れて読まないと。写真も豊富で、おすすめのプロレス本でした。
読了日:03月02日 著者:内藤哲也父親ができる最高の子育て (ポプラ新書)の感想
子供(女子)が小学1年生。母&娘VS私という構図が完全にできつつあり、子育てに非協力的?ということで妻からの非難を浴びることも多いいま、まさに求めていた一冊であった。要は、妻(=相手)の立場に立って感謝の気持ちを持つこと。いやあ、自分にはまったく足りていないものだとズバリ指摘された思いである。読めば読むほど、自分が至らなかったことばかりであることに気づかされ、さっそく心がけを変えた次第。なんとなく、家庭の雰囲気も、気のせいか穏やかになったような。この一冊は時々読み返すこととしよう。
読了日:03月07日 著者:高濱 正伸プロ野球 ヤバすぎるウラ知識の感想
ブックオフで購入。いわゆるコンビニ本。で、発行は宝島社。スキャンダラスな内容満載かと思いきや、意外や意外!知っていそうで知らないデータだったり、あるいはちょっとした裏話やエピソードだったり、正統派な内容でびっくりした。で、これがイイ感じに面白い。知っている話も多いのだが、ところどころでインタビューがはさまれていて新鮮。中田翔は、やんちゃながらも涙もろかったり、実家に後輩を招いたりと面倒見がいい・・的な記載があったが、本書の発行のあとで、こんな運命が待っていたとは。開幕前の暖機運転にはぴったりの一冊でした。
読了日:03月09日 著者:宝島プロ野球取材班プロ野球チームの社員 (ワニブックスPLUS新書)の感想
一気読み。元ライオンズのドラ1選手が、いまは球団職員に。指導者の道ではなく、背広組を選択した著者のその後のサラリーマン生活は興味深い。途中で、プリンスホテルへの出向もあったなかで、淡々と、前向きに取り組み続けることができ、そして経験がないなかで仕事で結果を残せているのは、地頭がよいという理由だけでは片づけられないだろう。球団職員という仕事の内容はもちろんのこと、著者の取り組み方を含めて、面白く読めた一冊であった。
読了日:03月09日 著者:髙木 大成ヤクザときどきピアノの感想
前々から読みたかった一冊。暴力団、ヤクザという特殊なジャンルでの取材を多数こなす鈴木氏の著作は、これまでも何度も読んできた。その著者が、あるとき決意したのは「ダンシングクイーンをピアノで弾いてみたい」という、ちょっと驚きの決意。本書では、その手習いの日々が克明に記されている。結末はさておき、私自身もピアノを弾けるようになってみたいと思ってしまったのは事実。人生において何かを始めるに遅すぎることはない。クライマックスの発表会動画をYoutubeで見てみて、思わず落涙。感動しました。
読了日:03月14日 著者:鈴木 智彦次の人、どうぞ!の感想
ちょこちょこと読んでいるこのシリーズ。本作はちょうど2018年ごろの連載をまとめたもの。時代が平成から令和へと移り行くときだった。なんだか懐かしいと思えるニュースやトピックも多く、時の流れの速さを痛感するばかり。1本のエッセイの長さがちょうど手頃で、トイレに置いておくのがマイスタイルです。
読了日:03月18日 著者:酒井 順子異端のすすめ 強みを武器にする生き方 (SB新書)の感想
橋下さんが弁護士になり、テレビに出て、政界に進出といった自分史とその時々の思考や行動にも触れられていて、非常に面白かった。行動の仕方という面では、大変参考になった。結果ではなく、やりきったと思えるような人生を送らなければと、あらためて感じた次第。
読了日:03月18日 著者:橋下 徹絶滅危惧種見聞録 (読んどこ! books)の感想
前々から読みたかった本をブックオフで発見。しかもまさかのサイン本!これはうれしすぎる。焼鳥屋のマスター、鳶の頭、トラック野郎が集う食堂に、千社札職人、そして小人プロレス。味気ない現代ではまさに「絶滅危惧種」ともいえる人々は、なんとも人情にあふれている。そうだ、昭和ってそんなじだいだったなあ・・・と感ずるともに、酒やスナック、町中華を愛し続ける昭和芸人の鑑である玉ちゃんのことが、あらためて大好きになってしまった。
読了日:03月19日 著者:玉袋 筋太郎ホークス3軍はなぜ成功したのか? 才能を見抜き、開花させる育成力 (光文社新書)の感想
ページを読み進めていくうちに、どんどん引き込まれていくばかり。ソフトバンクの育成契約、すごい。先見の明というのだろうか、育成契約で千賀や甲斐など、多数のスーパースターが生み出された結果があるわけで。本書では、その考え方や取り組みが丁寧に解説されている。SB育成選手たちも、第三世代、第四世代にまで突入しているようだが、初期の甲斐へのインタビューが秀逸。それにしてもサッカーと比べると、日本の野球が2軍までしかないという構造は、あまりにも貧弱なのかもしれない。
読了日:03月31日 著者:喜瀬 雅則57歳で婚活したらすごかった (新潮新書)の感想
57歳の著者による、体当たり婚活ルポ。婚活アプリに婚活パーティー、あらゆる方法で結婚するための相手探しに挑む。男性が女性に求めるもの、女性が男性に求めるものが、それぞれ異なっているのは興味深い。それにしても、著者が実際に出会ったお相手のバラエティーに富んでいることといったら。。。ワタクシはすでに結婚してはいるものの、全く知らない世界であり興味深く読めました。
読了日:04月04日 著者:石神 賢介浅草迄の感想
一気読み。たけしが浅草での芸人生活を始めるまで・・・すなわち「たけしくんハイ」でも描かれた足立区時代の生活や、明治大学に入ってからの日々を思い出語りする私小説。ワタクシ自身、同じ足立区内のすぐ近くで青春時代までを過ごしたこともあって、あらゆるエピソードが我がことのように思えてたまらない内容。足立区という特異な環境と、ユニークな家族が、天才を生んだことは間違いない。読みやすく面白く、時々手にして読み返したい一冊ができた。
読了日:04月04日 著者:北野武
alt="論破力 (朝日新書)" align="left" style="margin: 0 5px 5px 0; border: 1px solid #dcdcdc;" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51Ir6fcItDS._SL120_.jpg" />論破力 (朝日新書)の感想
最近はニュースバラエティ的な番組にも多数出演し、その類まれなるトークテクニックを披露しているひろゆき氏。本書のタイトル「論破力」のとおり、どうすれば相手にトークで負けないのか、ひろゆき氏の思考を紹介する内容。要は、熱くならず、常に第三者的な視線で俯瞰することが大切なのか?死ぬわけじゃないし・・・という気持ちを持って臨むスタイル、土下座することすら恥と思わない思考も含めて、人生もっと楽に生きればいいんだなと思えた。
読了日:04月07日 著者:西村博之強者の流儀の感想
RIZIN、そしてYouTuberとしても大活躍中の朝倉未来氏の著作。これもずっと読みたかったのだが、期待通りの内容でGOODでした。朝倉未来の思考が、自分の言葉で非常によくまとまっている。少年院上がりといったバックボーンがありながら、まさにここまで成り上がってきたのは、地頭がよいのだろう。考え方、そして言葉の節々から、それが伝わってくる。常に自分を第三者的な視点で見ることができる冷静さ、これも大変参考になった。気の置ける友人を大切にすること、夢を持つこと、こういった熱い部分にも共感する。
読了日:04月14日 著者:朝倉 未来絆 走れ奇跡の子馬 (集英社文庫)の感想
震災、キズナ・・・。3.11に生まれた仔馬と、それを取り巻く人々の人間模様。結末は読む前から誰でもわかってしまうわけではあるが、それ以上に、競馬に関する丁寧な描写が、さすが島田さん。やはり競馬ファンにはたまらない。それはさておき、相馬野馬追、あらためて興味を持った次第。巻末のあとがきにあったが、木幡元騎手は引退後に相馬野馬追に参加されているのだなあ。あとは、本作はあくまでもフィクション。とはいえ、登場人物のモデルをあれこれ想像するのも楽しい。
読了日:04月17日 著者:島田 明宏タモリさんに学ぶ「人生の後半」を生きるコツ (廣済堂新書)の感想
サクサクと読めた。タイトルと内容にズレがあったのは否めないが、要はタモリさんの処世術を解説するといった内容だろうか。世にあまたあるタモリ評伝の域を得ないが、やっぱりタモリさんの生き方は見るべきものがある。脱力しつつ、第三者的な視点で物事を俯瞰的に見る。そして究極の聞き上手になること。ゲテモノから国民的スターになったタモリさん、なかなかその域に達することは難しい。
読了日:04月17日 著者:内藤 誼人キャバレーの感想
たけしと同じ時代を生きた芸人、綾小路きみまろさん。本作はあくまでもフィクションとのことだが、限りなくノンフィクションに近いんだろう。新宿のキャバレーをベースに芸人下積み人生を歩むきみまろさんの若き日々がつづられる。ハチャメチャな人々と、ハチャメチャな毎日。それこそがまさに昭和なんだと思う。きみまろさんを通して語られる心の葛藤は、まさにたけしさんが同じ時代に感じていたことそのものなんだろう。やがて、きみまろさんとたけしさんが交差し昭和芸人モノ、そしてたけし語りを愛する者の一人としてはたまらない作品。
読了日:04月19日 著者:ビートたけし少年計数機 池袋ウエストゲートパークII (文春文庫)の感想
今さらながら先日手にした「池袋ウエストゲートパーク」。面白すぎて「II」も、満を持して読み始めた次第。本作に収載された4作品も、どれも完成度が高くて大満足。4作目は、綾瀬の忌まわしい事件がモチーフ?で、ちょっと読むのがつらいところもあったが、それでも一気読みに近いくらいのスピードでページが進んだ。マコト=長瀬智也が頭に思い浮かんでしまうんだが、それも含めて文字を映像化して楽しむことができるのはイイ。PHSにガングロのコギャル、クロムハーツなど、当時の世相を懐かしめるのも、オッサン読者にはたまらない。
読了日:04月26日 著者:石田 衣良世紀の落球-「戦犯」と呼ばれた男たちのその後 (中公新書ラクレ)の感想
落球・・・なにかのアヤで人生が変わってしまった男たち。活躍は忘れられてしまっても、落球が変えた勝敗は永遠に変わることがない。「戦犯」扱いされてしまった3人の選手を深堀りしていくノンフィクション作品。とくに、自分も実際にリアルタイムで体験していたGG佐藤選手の物語がよかったが、他の2編も素晴らしい。箕島VS星稜の加藤選手のドラマは、なんといっても箕島の尾藤監督の人間力、器の大きさに胸を打たれた。
読了日:05月05日 著者:澤宮 優兜町の風雲児~中江滋樹 最後の告白 (新潮新書)の感想
ものすごく面白かった。かつてバブル以前の時代に、兜町の風雲児としてマスコミをにぎわせた中江滋樹に対し、丹念にインタビューしたもの。何百億という金を動かしていた人間が、懲役となっていたまでは知っていたのだが、その後も浮き沈みを繰り返し、最後は生活保護を受け、自宅で焼死していたとは。。。それにしても、学生時代にすでに相場師としての才能の片りんを輝かせ、やがて投資ジャーナルで一躍時の人となった半生は、どんなドラマよりも面白い。それを冷静に淡々とあらためて語れるのだから、相当頭がよいのだろう。当たり本でした。
読了日:05月05日 著者:比嘉満広謝罪大国ニッポン (星海社新書)の感想
テレビをつければ、いつだっていろいろな有名人が謝罪をしている昨今。でもそれって、いったい誰に向けて謝っているのか・・・。そんな現代における「謝罪」のよしあしを、自身も謝罪の当事者であるという中川氏が解説。いろいろな事例は、とても参考になるし、謝罪を効果的に使わなければ逆効果ということも理解できた。もはや謝罪道というか、謝罪の作法といったらいいのか。人間関係をすっきりさせれば、ストレスは激減する・・・という締めも、すんなり頭に入ってきた。たしかにそうなんだろう。
読了日:05月09日 著者:中川 淳一郎食べ物連載 くいいじ (文春文庫)の感想
『働きマン』をはじめ、安野モヨコ先生の作品を読みふけっていた時期があったが、漫画ではなくエッセイを読むのは初。「食」をテーマにした週刊誌の連載だが、鎌倉での暮らしやスタッフとの仕事の様子なんかも必然的に入ってくるため、場面を想像しながら楽しく読めた。毎回入っている食の挿絵が、さすが安野先生という感じでカラーで見てみたくなる。10年以上前の作品だが、安野先生も50代になったはず。「年を取ると量を食べられなくなる」「もりもり食べられる時代ってうらやましい」といった言葉が、今年50を迎える自分の身に染みる。
読了日:05月10日 著者:安野 モヨコ永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセットの感想
かつて甲子園の名門校として名をはせたPL学園硬式野球部。その最後の日から遡ること2年。関係者への丹念な取材によって、なぜPL学園がこのような日を迎えざるを得なかったのかを追う熱いドキュメント。PL野球のあれこれはもちろん、宗教団体の学校、そしてその野球部という特殊な事情も含めて、知らなかったことも多く、あっという間に引き込まれてしまった。非常に残念な結果となり、PL学園硬式野球部の歴史はついえたわけだが、そこは「逆転のPL」。歴史が残した数えきれない人材が球界にはいる。復活を期待したい。良書でした。
読了日:05月12日 著者:柳川 悠二骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫)の感想
一気読み。すっかりハマっているIWGP。今回もまた、ついつい引き込まれる内容。なかなか残酷なタイトル作「骨音」に、懐かし(笑)のレイヴネタなど、アラフィフ世代にはたまらない時代背景?とはいえ、ますます冴えわたるマコトの活躍に、ちょっとしたラブロマンスと、前2作とはまた違うおもしろさがある。ちなみに解説はクドカン。これがまた味わい深い。
読了日:05月22日 著者:石田 衣良世界一ポップな国際ニュースの授業 (文春新書 1266)の感想
IWGPに今更ハマっていたタイミングで見つけた一冊。著者の石田さんが、世界の政治経済について対談する。中身はすごくわかりやすい。そしてウクライナかいわいに関する内容、時間が経ってこんなことになってしまうとは・・・。わかりにくい世界情勢をざっくり知るには最適でした。
読了日:05月22日 著者:藤原 帰一,石田 衣良プロ野球 名人たちの証言 (講談社現代新書)の感想
プロ野球本は相当読んでいるはずなのだが、初めて知るエピソード多数。著者は二宮清純さん。さすがと思わせるだけの力量と読みやすさである。その対談相手である「超一流」。マイナーな元選手、指導者も多数登場し、実に読み応えあり。個人的には、大ファンである高橋慶彦の話が聞けただけで大満足。黒江透修、西山修二、荒川博、そして関根順三といったあたりとの対話が、大変読みどころにあふれていた。それにしても、本書で出てくる関係者の多くの口から、ON賛歌、それも練習の虫であったという証言が出てくるのは印象的でしかない。
読了日:05月27日 著者:二宮 清純
clear="left" />Number(ナンバー)1051号[雑誌]の感想
毎年恒例のNumberダービー特集。やっぱりダービーというのは別格だし、唯一無二の特別なレースでもある。登場する多くの騎手や関係者が、ダービーに必要なのは実力もさることながら「運」というのは、大いにうなずける。それはさておき、しっかりダービー前に本誌でお勉強。見つけ出したワタクシの回答、「武豊&ドウデュース」。レジェンドの6度目のダービー制覇は感動モノでした。
読了日:05月31日 著者:忘れる女、忘れられる女 (講談社文庫)の感想
毎度毎度の酒井順子さんの週刊現代のコラム集。長さといい、内容といい、トイレで読むのに、実にちょうどいい塩梅なんだよなあ。というわけで、今回は2016夏~2017夏の連載の抜粋版。まだ5年程度というのに、そこに書かれている内容(というより世相や流行)は、ずいぶん遠い昔のようのことにも思える。この当時は、小室さんがちょうど現れて、眞子さま(この当時はあくまでも「さま」)が脚光を浴び始めたころだったなあ・・・。豊田議員やら、ピコ太郎やら、なんだか懐かしい気持ちになってしまった。
読了日:05月31日 著者:酒井 順子ラッセル・シモンズの成功哲学―ヒップホップ精神で成功を引き寄せる12の法則の感想
BRUTUSの読書特集で紹介されていたのを、偶然手に入れた一冊。ヒップホップ界の重鎮と知られる著者が、ヒップホップの世界を実例に、成功するためのノウハウや考え方を説いていくという内容。これが邦訳ものにしては非常に読みやすく、スイスイと頭に入ってきた。どんなときでも、与える気持ちでいることが大切だという点には、大いに学びを得られた。
読了日:06月06日 著者:ラッセル・シモンズ,クリス・モロー山本太郎とN国党 SNSが変える民主主義 (光文社新書)の感想
国政の世界に進出した山本太郎とN国党(立花党首)が生み出す一連の現象について、わかりやすく解説・分析。現代ならではの手法を上手に生かし、その勢力を拡大していることが理解できる。そして、彼ら二人が決して現代のドン・キホーテなどではなく、実に緻密に考え抜かれた政治手法を取っていることがよくわかった。知らなかったのが、彼らの支持層について。失われた世代の多くに対して、政治に目を向けさせていることは確実だろう。まもなく参議院選だが、二人の行動に注目してみたい。
読了日:06月15日 著者:真鍋 厚棚からつぶ貝の感想
イッテQの珍獣ハンターで、一躍人気者になったイモトさんが雑誌で連載したエッセイ集。読みやすく、また、等身大でとても好感の持てる人だということが伝わって来た。数多くの失敗があっても、しっかりと次に生かせていることが素晴らしい。
読了日:06月15日 著者:イモト アヤコ娘のトリセツ (小学館新書)の感想
娘が小学2年生になり、若干オヤジ離れが進んできた・・・。そんなタイミングで、本書を読んで少し勉強しようかと。いろいろな悪い事例が紹介されているが、心当たり多数(汗)。ただ、本書で進めているベストな方法の一つが、「家庭内で一番エラいのはお母さん=妻」であることを認識させることだという。妻に対して思いやりの心を持つことが、何より父親には大事。これはズシリと身に染みた次第。ときどき自省を込めて手にしたい一冊だった。全体的に読みやすい。
読了日:06月17日 著者:黒川 伊保子「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くないの感想
良書。おそらく大人というよりは、中学生以上のリアル学生向けの内容か。自身のいじめられ体験を語りながら、いまいじめられている子供たちへの熱いメッセ―ジ。世界は広がっている、だから無理するなという姿勢は、実際いじめを受けている子供たちにとって何かの助けになるかもしれない。私たち(アラフィフ)の世代と違って、現代のいじめはSNSも主流になっているとか。結果、息苦しい毎日を多くの子供たちが強いられているという現状は、小学生の子供を持つ父としては、なかなかズシリときた。子供のSOS信号は見逃さないようにしたい。
読了日:06月20日 著者:中川 翔子福岡市を経営するの感想
若干36歳で政令指定都市・福岡市の市長になった高島さんの著作。アナウンサーからの転身、そして税収日本一をはじめ結果を残しているところがスゴイ。官僚(役所の職員)とのあつれきも当初はあったというが、そこをクリアしていったハートの強さは見るべきものがある。橋下徹さんの著作も多数読んでいるが、彼のような圧倒的な前に出るキャラクターはないが、自分のやり方、現代のやり方で、しっかりと地方行政で結果を残しているといえるだろう。アジア一の都市という言葉は、もはや絵空事ではなく、現実味あふれるものだと思った。
読了日:06月22日 著者:高島 宗一郎スポーツ・アイデンティティ どのスポーツを選ぶかで人生は決まるの感想
個人スポーツと団体スポーツ、そのいずれかに性格や思考が向いているのかを洞察。スポーツアイデンティティと銘打ち、さまざまな選手を分析している。競技といっても、個人・団体が分かれていれば、相手と競うものがあったり、数字という絶対値ではかるものもある。確かに向き不向きはありそうだ。翻って自分はどんなスポーツが向いているんだろうか。
読了日:06月28日 著者:田崎 健太ひとりをたのしむ 大人の流儀10の感想
忘れたころに読みたくなる、伊集院静さん文春エッセイ。本作では2019年9月~2021年2月の作品から抜粋されているわけだが、①伊集院さん、クモ膜下で倒れる!②バカ犬死す③コロナ・・・といった事件が相次いだかなかでのテーマ「ひとりをたのしむ」が語られる。そんななかでも17年を寄り添った愛犬・・・バカ犬と呼びつつも最大限の愛情を注いだ愛犬ノボとの別れが泣ける。今回も、大人の流儀をしっかりと勉強させていただきました!
読了日:06月30日 著者:伊集院 静やってみなはれ みとくんなはれ (新潮文庫)の感想
オススメ本で出ていて購入。相当前の作品だが、現代の若者サラリーマンにはぜひ読んでいただきたい一冊。開高健と山口瞳の共著。サントリー創業100年誌に寄稿された作品だ。それにしてもこの両氏にしろ、柳原さんにしろ、サントリーの社員だったとは!創業者である鳥井さんの生きざまは、惚れこんでしまうの一言。だからこそ、社員から芥川賞作家と直木賞作家の2人が生まれたんだろうなあ。。。ウイスキーが飲みたくなりました。
読了日:06月30日 著者:山口 瞳,開高 健1億3000万人のためのeスポーツ入門の感想
何かと話題のeスポーツ。プレーヤー、運営者、メディアといった立場の識者たちが、それぞれの持ち場について解説。eスポーツというものを、俯瞰で把握することができる。「スポーツ」という定義は難しいが、欧米ではすでに仕事・興行として完全に成り立っているようだ。日本にはプレステ、任天堂DSなどのハードがあり、数々の対戦型ソフトがあるのだが、ことeスポーツに限って言えば、そういったソフトは世界ではプレーされていないようだ。ここを打破すれば、日本のeスポーツの未来は明るいように思えた。
読了日:07月05日 著者:但木一真,謎部えむ,live,西谷麗,佐々木まりな,松本祐輝,高木智宏日本を前に進める (PHP新書)の感想
参議院選挙前に読もうかなと思ったが、全部は読めず。安倍さんが夭逝してしまった今、期せずして次なるキーマンの一人になったことは確実。その考えについて、理解を深めることができた。その外交力からして、非常に期待の持てる政治家の一人。ポスト岸田・・・の際には、ぜひともと期待するばかり。
読了日:07月12日 著者:河野 太郎読書という荒野 (NewsPicks Book)の感想
久しぶりの見城氏。相変わらず熱い。。。出版社を興した氏が、いかに人生で読書に影響を受け、そして助けられてきたかが語られる。幻冬舎の主要な作家とのかかわり方も、実に興味深い。要は、どれだけ熱を持って取り組めるか、なりふり構わずに自分の思いを伝えるかということなんだろう。あらためて仕事のやり方、そして男としての生き方についての示唆を得た思い。今年2月に逝去した、石原慎太郎氏とのやりとり、これも本当にかっこいい。3枚のカードを常に持てという話も、大変参考になった。
/>読了日:07月17日 著者:見城 徹ナナメの夕暮れの感想
オードリー若林氏のコラム。屈折しすぎて一度休載になった末に復活したあとのものをまとめたもの。自己分析はすごいが、この屈折ぶりと真面目さが、男性から圧倒的な支持を得るゆえんではなかろうか。成長を遂げていった末に、本コラムも完結したあたりが、なんだか素敵な感じでもある。
読了日:07月26日 著者:若林 正恭電子の星 池袋ウエストゲートパークIV (文春文庫)の感想
すっかりハマっているIWGPシリーズ。4作目も圧巻の面白さ。ますますマコトの活躍ぶりが冴えわたる。残忍で目をそむけたくなるようなテーマの作品もあったが、あるタクシードライバーをめぐる物語や、ラーメン戦争の話など、登場人物含めて魅力たっぷりで、本作もあっという間に作品の世界へと飲み込まれてしまった次第。にしても、読み進めていく中でマコト=長瀬智也で頭の中で映像化されてしまうというのは不思議。それだけ完璧なハマり役だったんだろうな。
読了日:07月26日 著者:石田 衣良究極の歩き方 (講談社現代新書)の感想
ウオーキングとランニングで適した靴は全く異なる。日本人の足は決して甲高幅広ではない。そして人間の足は50歳を境に大きくなっていく!? 足を科学するアシックスによる分析は、アーチが圧倒的に弱く時折激痛を発症する私にとって、いろいろと新発見ばかりであった。最近は厚底のランニングシューズを日常的に愛用しているが、たまに底の硬い革靴を1日でも履こうものなら、すぐに足を痛めてしまう次第。ダサいと敬遠気味だったウオーキングシューズ、健康のために、一度チャレンジしてみようかと思った。
読了日:07月26日 著者:アシックス スポーツ工学研究所抱腹絶倒!! プロレス取調室 ~昭和レスラー夢のオールスター編~の感想
久々の再読。やっぱり昭和のプロレスラーってすばらしいし、また玉ちゃんのトークがそこに最高の形で花を添えてくれている。いろいろなレスラーが出てくるが、みんな行ってることがハチャメチャだしバラバラ。この本の中でさえ、人によって言ってることが全然違うし(’笑)。でもみんな強かったし個性にもあふれているし、現代のプロレスラーとは違う魅力があるんだよなあ。
読了日:07月27日 著者:玉袋 筋太郎,プロレス伝説継承委員会痛快無比!! プロレス取調室 ~ゴールデンタイム・スーパースター編~の感想
続けて読了。一気読み。前作に比べるとメジャーな人選も多い中、キラー・カーンさんの逸話が面白すぎる!あとは長与千種に阿部レフェリー、ブルさんと、女子プロ勢のすごい話も引き込まれること必至。それでもなんでも、やっぱり昭和プロレスって最高。芸人にも通じる道だけに、玉ちゃんとの掛け合いがまたたまらない。
読了日:07月29日 著者:玉袋 筋太郎,プロレス伝説継承委員会ナンバーベスト・セレクション 2 (文春文庫PLUS)の感想
超久しぶりに手にした一冊。刊行は古いが、質の高い作品の数々が色あせることはない。数あるなかでも、海老沢泰久さんの「嫌われた男」が珠玉の一作の名にふさわしい。西本聖をテーマにしたこの作品は、何回読んでも胸を熱くさせられる。
読了日:07月31日 著者:夢を売る男 (幻冬舎文庫)の感想
これは面白かった!タイトルから、その中身か!と思わず手をたたきなる感じ。本書の主人公は自費出版ビジネスで「夢を売る男」。自分の本を出版したいという人をだますのではなく、お金を払って夢を実現してもらうというビジネスライクな手法がすごい。顧客の多くが、本を出したことに満足する、そこにビジネスチャンスを見つけたところがウマい。詐欺師を見るような感覚ではなく、なるほどなあと仕事の参考になること多数。そして最後の終わり方がまたGOOD。仕事への取り組み方、考えてしまうな。
読了日:08月03日 著者:百田 尚樹吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集の感想
玉ちゃんのインタビュー本からの流れで、こちらも再読。聞き手が違うと、こうも中身が変わってくるものか。本書はメジャーなレスラーへのインタビューも多く、エンタメ性も十分。それでいて、B級といえそうなレスラーのトークも面白くて、ついついページをめくるスピードが上がってしまった次第。連載時は登場していたという前田日明の回は読んでみたいなあ。
読了日:08月03日 著者:吉田 豪ブラ男の気持ちがわかるかい? (文春文庫)の感想
裁判長シリーズは、ずいぶん前にハマってすべて読んだ記憶があるが、そんな北尾トロさんの著作。子供もできて、すっかりオッサンになったトロさんだが、あれやこれやと実践で体験していく連載。なんだろうな。オッサンになって体力やら思考やらに、若かりし頃のようにはいかない違和感を感じるあたりがものすごく共感。涙もろくなっているあたりも、オッサン世代としてはたまりません。「やってみよう精神」、これは自分も見習わないとな。
読了日:08月18日 著者:北尾 トロさよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録の感想
一気読み。旅先のホテルで一気に引き込まれることしきり。世にあるプロレス本とは異なり、淡々と丁寧な取材をしている著者に好感。そして武藤の歴史が新日の歴史と重なり、そしてプロレスの歴史をもひもといていく。プロレス本としては非常に良書だと思う。おりしも、武藤も引退宣言をしてしまった今、味わい深く楽しませていただいた一冊でした。
読了日:08月18日 著者:福留崇広漁魂―2020年東京五輪、「江戸前」が「EDOMAE」に変わる!の感想
船橋に在住していたころから、大野さんや大傳丸の存在は知っており、ウェブサイトなどもチェックしていた。このタイミングで著作を読めるとは思わなかった。自身の半生、そして東京湾での漁業にかける思いが存分につづられている本作。東京湾・船橋のスズキをブランド化し、現代都市型漁業の一つの形を作り上げた大野さんの行動力と発想には目をみはるばかり。大卒で漁師を継ぐという稀有な例だろうが、だからこそ旧式の考えにとらわれない、未来の漁業をクリエイトしているのだろう。大野さんのスズキ、ぜひ一度食べてみたいものだ。
読了日:08月20日 著者:大野 和彦東京笑芸ざんまい わたしの芸能さんぽの感想
高田文夫さんの連載をまとめた三部作。東京の笑い、昭和の笑いを徹底的に解説するものだ。本作も、東京の笑いを追求する者には垂涎の内容。とても勉強になる。ただ、三部作に関しては、やはり圧倒的に最初の作品が群を抜いて内容がよかった。
読了日:08月21日 著者:高田 文夫サムのこと 猿に会う (小学館文庫)の感想
一気読み。疲れてるなあと思った時、西加奈子さんの作品はジワリと身に染みて活力をもらえる。本書は3篇の短編集。西作品は爆発的な感じの作品と、ほんのりとやさしい作品の2通りがあると思うんだが、本書に収録されている3作品はいずれも後者。登場人物もシチュエーションもばらばらだが、共通するのは友情。友人の死をきっかけにそれぞれをおもんばかる友情、幼少期から変わらぬ友情、そして旅立ちの時を迎えても変わらぬ友情。男女、女同士、男同士と、その形態は違うが、そこに共通するのは圧倒的なやさしさ。やっぱり西加奈子作品は最高だ!
読了日:08月22日 著者:西 加奈子あの人が好きって言うから…-有名人の愛読書50冊読んでみた (単行本)の感想
正直残念な内容。薄っぺらいし、記述も面白くなく。あとがきを読んで納得。著者のモットーは「極力取材をせずに原稿を書くこと」だとか・・・。言葉が見つかりません。時間の無駄でした。
読了日:08月23日 著者:ブルボン 小林サービスの達人たち :おもてなしの神 (新潮文庫)の感想
このシリーズ、久々に読んだが、その道のプロには、やはり見習うべきところ多数。ここに出てくる10人は、どっかの誰かが五輪誘致の際に口にした「お・も・て・な・し」などとは全く異なる、お客の立場に立ったサービスばかり。それぞれが仕事に誇りを持っているプロであり、自分自身がそのサービスを受けてみたいと思うものばかりであった。印象的だったのは、日暮里の立ち食いそば屋「一由そば」の話。ここは実際に足を運ぶことにしよう。
読了日:08月30日 著者:野地 秩嘉これこそが後藤の感想
お笑い第七世代にくくられる、四千頭身の後藤の連載エッセイをまとめたもの。まあ、実物さながらのテンションの文章というか、あたかも本人がトークしているかのような感じにとらわれた。内容そのものは、まだまだかな。独特の視点は印象的だったのだが、それが素なのか、演じているのか、ちょっとわからないところがある。
読了日:08月31日 著者:後藤 拓実トラックドライバーにも言わせて (新潮新書)の感想
元・トラックドライバーの女性フリーライターが、日本経済を支えるトラックドライバーの世界を解説。免許の問題、高齢化、駐禁、そして不在再配達など、トラックドライバーの職場環境を蝕む問題は山積みである。時間指定、再配達など、今や私たちが「あたりまえ」と思ってしまっていることが、非常に大きな問題であることを知らなければいけないと痛感した。さて、さまざまなトラックドライバーへのアンケート的な項目もあったんだが、役に立ちそうなのが「眠気対策」。ガムの代わりに、するめを噛む。これはぜひ一度やってみたい。
読了日:09月02日 著者:橋本 愛喜(はしもと あいき)そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか (文春文庫)の感想
能町さんは初読。文春の連載ではさほど気にならなかったんだが、こうまとめられてしまうと、なんだかまあワガママおばさんの戯言って感じ。読んでいて楽しい気分ではない。この手の女性コラムは、酒井順子さん、ジェーン・スーさんら、ゆるい感じが自分には合うと思った。
読了日:09月13日 著者:能町 みね子BRUTUS(ブルータス) 2022年 9月1日号 No.968 [特集・夜]の感想
「夜」をテーマにした特集。堀米くんのところが読みたくて購入。久しぶりにこの手のファッション誌?を手にしたが、ポパイやらHDPやら読みふけっていたころを懐かしく思う。で、雑誌としての構成は、30年前と全然変わってないなあ・・・。とはいえ、行ってみたい店も数軒発見。
読了日:09月13日 著者:反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークV (文春文庫)の感想
粛々と読み進めているIWGPシリーズ。もう、ページをめくる手が止まらない完全なエンタメ作品として完成の域に達している。本作では、対価を得ることなく悪と対峙するマコトの魅力がますます際立つばかり。これまでの作品群とは一味異なる、往年のロックスターとの物語が抜群に面白かった。第6弾も早く読みたい。
読了日:09月14日 著者:石田 衣良マイ遺品セレクションの感想
くだらないものをアレコレ収集していることで有名なみうらじゅん氏。生前整理などまるで無縁。他人にはまったく価値のわからない、大量のコレクションを紹介していく新聞連載をまとめた一冊。特にツボだったのが「冷蔵庫に張るマグネット」。うちの冷蔵庫もすごいことになってるな~。私自身も変なものコレクターをやっていた経験があり、トイレットペーパーの包装紙、世界各国のビールの瓶&缶など、お金をあまりかけずに楽しめる趣味として、コレクションを楽しんできた経験があるだけに、大いに共感できるところがあった。
読了日:09月15日 著者:みうら じゅんバズる書き方
書く力が、人もお金も引き寄せる (SB新書)の感想
著者のSNSは各種フォローしているのだが、その文章づくりのノウハウが公開されていて非常に興味深かった。目立つため、読んでもらうための構成法はさておき、氏が公開まで推敲を10回以上重ねるということに、なんといっても驚かされた次第。短い文章であれ、だからこそ推敲を重ねることに意味があるわけだ。私も心がけることとしよう。
読了日:09月19日 著者:成毛 眞Sports Graphic Number1058・1059合併号(「似て非なる名将 落合博満と野村克也。」)の感想
久々に読み応えのある特集。二つのノンフィクション作品が相次いで発売され好評を博している中での「野村&落合論」。この類まれなる個性を持ち合わせた二人の名監督が、野球人として心を通わせていたことに、あらためて野球の奥深さを感じる。監督としてのアプローチは全く逆の二人だが、結局のところ、野球の求道者であり、そして実は人情家であったという点は、共通するところなのだと思う。教え子たちが師を振り返るインタビューもとてもよかった。
読了日:09月19日 著者:砂まみれの名将 野村克也の1140日の感想
満を持して購入。満を持して読む。期待通りの内容であり、ノムさん本を多数読んできた中でも、これまでほとんど語られなかった社会人野球監督自体に焦点を当てたことに意味がある。プロ野球を追われてたどり着いた場所に、野球人ノムさんが心底野球を楽しむことができる場があったとは。シダックスの選手たちが、ノムさんの指導をスポンジが水を吸うようにどんどん吸収し、あっという間に力をつけていく様は実に爽快。監督も選手も周囲も、誰もが人に恵まれた貴重なケースだと感じた。やはり人の出会いというのは大切だと痛感。
読了日:09月19日 著者:加藤弘士新・魔法のコンパス (角川文庫)の感想
キンコン西野本をついに読んでみる。若者に向けたメッセージといった内容。文字級数大きく、行間広く、サクサク読める。意外にもハナにつく描写も少なく、ポジティブになれる内容。オッサンが読んだとしても、得るものはなくはない。
読了日:09月22日 著者:西野 亮廣つけびの村 噂が5人を殺したのか?の感想
現代の八ツ墓村と騒がれた、限界集落で起きた大量殺人事件。特異な環境下での事件の全貌を、さまざまな側面から追うレポートが本書だ。超小規模なムラ社会だからこそ、人のうわさや悪口は自分を守る盾にもなり、一歩間違えたら負の当事者になってしまう。限界集落のムラ社会のリアルも含めて、単なる殺人事件ノンフィクションに終わっていないところは、読む前に予期していた内容とは、いい意味で異なっていた。それにしても、この村にはとてもではないが行く気にはなれない。女性著者の行動力に脱帽。
読了日:09月27日 著者:高橋ユキ(タカハシユキ)元アイドル! (新潮文庫)の感想
本棚があふれかえって来たので整理しつつ、処分する前にもう一度読んでおきたいかなという本を読んでいる。本書は、「元」アイドルに吉田豪がインタビューを試みたもの。昭和47年生まれの自分にはストライクのメンバーぞろい。八木さおりとか、中村由真、大西結花とか、それぞれが30代とか40代を迎えたころのインタビューで、味わい深さ満点である。今ではこの本に登場した元アイドルたちも、50代、60代を迎えていることだろう。どこかの雑誌で、またこういった連載が始まることを希望する。
読了日:09月27日 著者:吉田 豪カラスをだます (NHK出版新書 646)の感想
害鳥?として認知されてしまうカラス。これだけ私たちの身近にいる鳥に対して、異様なまでの執着心をもって取り組む研究者の著書。カラスを追い払うための取り組み、カラスの習性など、知らなかったこと多数で、なかなか勉強になる。カラスを食すという取り組みは、ちょっとなじめなかったが・・・。後半はダレ気味?の内容ではあったが、毎日ベランダの外でアーアーと鳴いているカラスのことを、少しでも知ることができたのはよかったのではないかと思う。
読了日:10月05日 著者:塚原 直樹潜入・ゴミ屋敷-孤立社会が生む新しい病 (中公新書ラクレ, 733)の感想
昨今、いろいろなところで取りざたされている「ゴミ屋敷」問題。著者はゴミ屋敷の片付け業者に同行(というより、ほぼ社員となり)、現場でさまざまな実例に遭遇、そしてそこから現代が抱える問題をあぶりだしている。ゴミ屋敷になってしまう人の特徴、これはとても興味深い。外での社会生活をきちんと送れている人がなってしまうというのはびっくりだし、身寄りのない高齢者の実例なども緊迫感にあふれている。結局のところは、ゴミ屋敷になってしまう人というのは、間違いなく「病気」なのだということ。誰しもなってしまう可能性はあるから怖い。
読了日:10月05日 著者:笹井 恵里子勝つプロ野球監督論の感想
プロ野球のさまざまな監督について、独自の観点から洞察した一冊。出てくる監督が、長嶋監督以降ということもあって、リアルに体験していた世代としては、とても興味深かった。そんななかでも、巨人中日のあの最終戦天王山を前にしての長嶋監督のエピソード・・・桶狭間の戦いとたとえ、選手を一気に鼓舞する手法にしろ、やはりカンや天性だけで動いているのではないんじゃないかと、天才長嶋の奥深さをあらためて知る思い。本全体を通して、基本的に批判ではなく、好意的な見方での評ということもあって、独語の満足感は高し。
読了日:10月11日 著者:鷲田 康go fight Vol.1 (スコラムック)の感想
猪木さんが死去。そのニュースを受けて思い出し、本棚から引っ張り出した1冊。版元は違うが、現在の「KAMINOGE」の原型ともいえるこのムック本には、なんと東日本大震災の日の午後に実施した猪木のインタビューが掲載されているのだ。時折断続的に続く揺れの中で、猪木の大局的な考えの下での言葉が感慨深い。燃える闘魂、永遠に。
読了日:10月13日 著者:生きるコント (文春文庫)の感想
たまに再読したくなるエリーさんのコラム集。2019年11月以来か。あとがきには、エリーさんが「ウンコするときにでも読んでください」といって知り合いに渡しているとあったが、ワタクシもまさにその通りのスタイルで、トイレに常備して読んでいた!コラムでつづられるエリーさんの怒涛の日々は、まさにエネルギッシュでパワフルそのもの。仕事が多忙すぎて滅入っていたときに、大いに元気と勇気を与えてくれるエピソードと言葉にあふれている。続編も続いて読み始めた次第。
読了日:10月13日 著者:大宮 エリー灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)の感想
ますます面白いIWGPシリーズ。ハマって手にしたのは第6作目となる。今回も、どこからかぎつけてきたのか、マコトのもとには、なかなかヘビーな案件を持った依頼者が続く。それにしても、この自分語りの文体がなんとも心地よい。初出は2004年とのことだが、面白さは色あせることはないのが不思議。当時の世相や流行を懐かしく感じられるあたりも、この作品ならではの魅力か。さあ次も楽しみである。
読了日:10月18日 著者:石田 衣良落合博満 アドバイス―――指導者に明かす野球の本質の感想
落合が監督を退任した後、社会人野球をじっくりと眺め、そこから社会人野球を例にとって、独自の監督論を展開。社会人野球とプロ野球のひな型は違えど、やはり自身が東芝府中という社会人野球出身者であるせいか、そこへの愛を感じることができたのは意外であった。一見するとドライだと思われがちだが、やはり落合ほど情に熱い監督はいないと、あらためて痛感。
読了日:10月18日 著者:落合 博満政治を選ぶ力 (文春新書)の感想
橋下さんと、近年よくテレビで顔を見る三浦氏の対談。三浦氏については、著作も含めて初だったんで、少し楽しみにはしていたんだが・・・。正直言って、話があまりかみ合ってない印象。というか、三浦氏が頭が堅いというか、相手の話や意見に聞く耳を持たないというか・・・。さすがの橋下さんも、苦笑いという感じの印象。ちょっと期待外れというか、残念というのが正直な感想だ。
読了日:10月26日 著者:橋下 徹,三浦 瑠麗紋切型社会 (新潮文庫)の感想
何年か前に話題になっていた本。読んでみての感想は、まず「思っていた内容とは違った」である。言葉によって定義されがちの日本社会のあれこれを、独特の目線で斬っていく内容なんだが、まあなんというか、押しつけがましいというか、人の言葉尻をつつくというか・・・。あまり自分にはフィットする内容の本ではなかった。
/>読了日:10月27日 著者:武田 砂鉄生きるコント 2 (文春文庫)の感想
前作に続いて再読。やっぱりすごいぜ、エリーさん!あまりにもドラマチックな日々と、超前向き思考な生き方。失敗を失敗とは思わないその毎日に、すっかり元気をもらってしまった。かえすがえすも面白いエッセイだけに、またどこかで連載をしてくれないかなと願うばかり。
読了日:10月29日 著者:大宮 エリー燃えた、打った、走った! (単行本)の感想
最高だった!長嶋さんが、ちょうど現役を引退し、青年監督に就任したころに書かれた半生記。長嶋ファンにはたまらない内容であることは間違いない。幼少期や選手時代のエピソードも多数、長嶋節全開で語られるあれこれは、そのすべてが絵になるし、エネルギーに満ち溢れている。不世出のスーパースター、それが長嶋茂雄なんだろう。
読了日:10月29日 著者:長嶋 茂雄Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパークVII (文春文庫)の感想
IWGP、はまりにはまって7冊目に突入!本作もテンポ抜群、ますますマコトのひらめきと動きが冴えわたる。今回の収録策では、キングことタカシが、キングの座を追いやられるかという話が秀逸。「影」という存在のキャラクターも、もうなんだか抜群にいい。というわけで、第8作も購入し、次に備える次第。
読了日:11月05日 著者:石田 衣良証言UWF 完全崩壊の真実の感想
けっこう一気読み。このシリーズも最後か。ここにきて高田がインタビューを受けており、これはこれで貴重か。UWFインター、藤原組、そしてリングスと、それぞれを彩ったメンバーの貴重なインタビューが満載。最後に収載されているのが大仁田ってところもまた味わい深い限り。PRIDEすらなくなってしまい、RIZINへと移行、さらには民放の放送が打ち切りなど、時代の流れを感じてやまない。
読了日:11月05日 著者:高田 延彦,船木 誠勝,坂田 亘,ミノワマン,大仁田 厚,ほか劇場の感想
『火花』以来の又吉作品を手にする。こちらのほうが先に書かれたようだが、こちらの主人公はお笑い芸人ではなく劇団員。そして共通するのは下積みゆえの貧乏で鬱屈した日々・・・。本作はそういった背景での恋物語といえるが、あまりにも切ない。『火花』以上の切なさ。不器用な主人公がもがく様子が切々とつづられていく。
読了日:11月07日 著者:又吉 直樹ヤクルトスワローズ論 (MdN新書)の感想
定期的に読んでいるノムさん本。何度も何度も語られる内容は、ほぼ同じなんだが(笑)、野村ismの信奉者としては、やはり読まねばならない。本書は、逝去前の作品としては最後に近いものなんだが、そのタイトルは「ヤクルトスワローズ論」。しかしながらタイトルと内容の乖離ときたら。。。ノムさんファンじゃなかったら、怒っちゃうかもしれないです(笑)
読了日:11月12日 著者:野村 克也これにて、便所は宇宙であるの感想
千原ジュニアが雑誌『SPA!』で連載していたコラムをまとめたもの。本作がついに最終巻となる。その名の通り、トイレで思考し、トイレにあるネタ帳に書き留めていったものだが、その数は500編を超えたという。著者にならって私はこちらをトイレに常備し、ちまちまと読み進めていった。長年の連載で、結婚という生活の変化があったりと、たしかに思考の変化が見られて興味深い。巻末に収載されていた板尾さんとの対談も秀逸。
読了日:11月15日 著者:千原 ジュニア非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークVIII (文春文庫)の感想
関西出張の新幹線にて一気読み。いやはや、読めば読むほど面白いし、時世を反映した内容やスピード感は、とにかく心地よいばかり。エンタメ作品として完成の域に達している。シングルマザーに非正規労働者など、時事ネタをしっかり盛り込み、それをエンタメに昇華させる技量はすばらしい。
読了日:11月23日 著者:石田 衣良一発屋芸人の不本意な日常の感想
ルネッサンス!で見事に当てるも没落?した貴族。その毎日やこれまでについて、シュールにかつ面白くまとめているエッセイ集。読み進めてなるほど!関西の御三家中学に入学した神童だった過去(もっともその後ひきこもりに入ったわけだが)は知らなかったが、地頭がよいんだろう。非常に読みやすく、またジワリと味わい深い文章はついつい引き込まれてしまう。
読了日:11月23日 著者:山田ルイ53世受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実 (新潮新書)の感想
ワタクシの娘も小2になった。習い事はやっているものの、塾やお受験とは無縁・・・。そんななかで興味本位で手にしたのがコチラの本。幼稚園から大学まで、現在の日本における受験や教育についてが網羅されて解説されていて、非常にわかりやすい内容。そもそも教育や試験のシステムが、自分が体験してきたころとは様変わりしていることがよくわかり、またこれからまだまだ変化していくことをも知った。子供にとって何が幸せで、どんなことをするのが可能性の枠を広げることになるのか、じっくりと考えなければならないと痛切に感じた。
読了日:11月30日 著者:おおたとしまさ片づけたい: 暮らしの文藝の感想
掃除や片付けが苦手(?)な作家たちによるエッセイ集。みんなワタクシと同じなんだなあと、共感することしきり。なんか散らかっちゃうんだよな。松浦弥太郎氏の「机の上が片付いていないと、思考も整理できない」という言葉は実に的を得ている。今年の大掃除こそ断捨離をしなければ・・・。
読了日:11月30日 著者:赤瀬川 原平,阿川 佐和子,新井 素子,有元 葉子,有吉 玉青クリストフ・ルメール 挑戦 リーディングジョッキーの知られざる素顔の感想
日本競馬界を席巻するルメールの半生記。どのような経緯で騎手となったのか、また、日本へ来ることになるまでが、思い出のレース、思い出の馬たちとともにつづられていく。それにしても、JRAの試験に受かるための最大の難関「日本語会話能力の取得」をも乗り越えてしまうんだから、単純に騎手としての技術以上に、努力の人なんだと思う。日本で騎手人生の円熟期を迎えようとするルメールの手綱さばき、今後とも注目していきたい。
読了日:12月05日 著者:平松 さとしプロ野球 問題だらけの選手選び: あの有名選手の入団前・入団後の感想
野球ライターの小関氏が、ドラフト前の評価と現在の二本立てで、現在も活躍する選手の多くに対する自己評価を公開。その多くは当たっているといえるが(ちょっと自己主張強し)、大化けする選手、そして逆に鳴かず飛ばずに終わる選手も多い。スカウトの皆さんの眼力、いったいどこまで見据えてのものなんだろう。それにしても、本書が書かれた当時(2019年)には考えられなかった大谷のさらなる飛躍には、ただただ驚くばかり。
読了日:12月08日 著者:小関 順二売れるには理由があるの感想
あっという間に読んでしまったが、古今東西の芸人43人について「ネタ」を題材にひもとくコラムをまとめたもの。知っているエピソードも多数あったものの、一つ一つの文章量がちょうどよいせいか、サクサクと読めた。それにしても誤字脱字が多かったが、太田出版だから仕方ないのか?
読了日:12月11日 著者:戸部田 誠,てれびのスキマ
12の貌 (文春新書)" align="left" style="margin: 0 5px 5px 0; border: 1px solid #dcdcdc;" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51PaBAqqoGL._SL120_.jpg" />平成の東京 12の貌 (文春新書)の感想
中学生の時に迎えた平成も終わってしまい、気づけば令和も4年。昭和、平成、令和と移り行くなかで、令和の東京の市井の風景をクローズアップしたノンフィクション作品が12編。ノンフィクション作家12人が、それぞれの視点から見つめていくもので、それぞれのテーマ選びも面白かった。印象に残ったのは、フィリピンからの出稼ぎの話かな。フィリピン人は英語も話せて、よく言えば能天気。それが「新3K職場」に欠かせないとか。西葛西のITインド人たちの話もとても印象に残った。知らない話が多く、思わぬ拾い物の一冊。
読了日:12月13日 著者:居酒屋を極める (新潮新書)の感想
外で酒を飲むことの楽しさ、楽しみ方がよくわかる本。一人で飲みに行くことが多いワタクシには、とても共感できる部分が多かった。章立てされていて読みやすいが、阪神淡路大震災、東日本大震災の際の酒飲みならではのエピソードには、胸を熱くさせられた。一冊を読み終わった後には、飲みに行きたくなること必至。
読了日:12月15日 著者:太田 和彦幸福論 「しくじり」の哲学の感想
芸能界で何度も絶頂と転落を繰り返しながら、手を変え品を変え、再び浮上してくるオリラジの中田の著作。ちょうど活動の場をテレビからYouTubeに移したころに書いたものだが、その物事に対する考え方を明らかにしている。自身の幼少期からの振り返りもあったが、やっぱり勉強もできるし、地頭がいいんだろう。おそらく本書もゴーストではなく本人が書いたに違いない。常日頃から相当な勉強と努力をしていることがうかがえ、思いのほか好感を持つに至った。
読了日:12月20日 著者:中田敦彦大宮エリーのなんでコレ買ったぁ?!の感想
このところ、トイレでダラダラ読む本として、大宮エリーさんにハマっている。次から次へと本棚から引っ張り出している次第だが、今回は、エリーさんが無駄遣いで購入したあれこれを一つずつ振り返るコラム集。まあ、いらないものだらけ(笑)なんだが、購入時のエピソードは笑えるものばかりだし、捨てられないという心情もよくわかる。自分と同じ種族の人間なんだなあ・・・と、すっかり楽しませていただきました。ツボ多数。さあ、年末の大掃除では断捨離するぞ!
読了日:12月20日 著者:大宮 エリー新エバンジェリスト養成講座の感想
ずいぶん前に購入し積読になっていたのだが、なぜかいきなり手にして読んだ。プレゼン出、パワーポイント資料の作り方のコツといった内容なんだが、さすがプレゼンのプロだけあって、よみやすく、なるほどとうなづくこと多数。話し方のNGポイントについては、自分自身にもろに当てはまっていたので、大変参考になった。よもやの再読したい一冊。
読了日:12月20日 著者:西脇資哲だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 (集英社文庫)の感想
前作も読ませてもらったが、本作はなおのこと濃度が濃い。コールセンターがタイにあり、ましてやそこで日本人が数多く働いているなんて知らなかった。タイという場所柄ならではの事象、そして日本における非正規雇用者の問題など、登場人物のすべてが、これまでに見たこともない日本人ばかりだ。先行きが見えない中、いっときの快楽か、あるいはそうするよりほかないのか。。。なかなかに考えさせられる。それを彼らが望んでいないにしろもっと報道されてもいいんじゃないかと感じた。
読了日:12月29日 著者:水谷 竹秀
読書メーター
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2022年12月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241727968/
2023-02-14T14:59:00+09:00
2023-02-14T14:59:53+09:00
2023-02-14T14:59:53+09:00
anken99
読書
読んだ本は9冊と、2桁には届かず。。。
中盤は軽めの本をサクサク読めていた感じだが、後半に入ってからは忘年会やらなんやらで、全然読めなかった感じ。
12月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2262
ナイス数:96
クリストフ・ルメール 挑戦 リーディングジョッキーの知られざる素顔の感想
日本競馬界を席巻するルメールの半生記。どのような経緯で騎手となったのか、また、日本へ来ることになるまでが、思い出のレース、思い出の馬たちとともにつづられていく。それにしても、JRAの試験に受かるための最大の難関「日本語会話能力の取得」をも乗り越えてしまうんだから、単純に騎手としての技術以上に、努力の人なんだと思う。日本で騎手人生の円熟期を迎えようとするルメールの手綱さばき、今後とも注目していきたい。
読了日:12月05日 著者:平松 さとし
プロ野球 問題だらけの選手選び: あの有名選手の入団前・入団後の感想
野球ライターの小関氏が、ドラフト前の評価と現在の二本立てで、現在も活躍する選手の多くに対する自己評価を公開。その多くは当たっているといえるが(ちょっと自己主張強し)、大化けする選手、そして逆に鳴かず飛ばずに終わる選手も多い。スカウトの皆さんの眼力、いったいどこまで見据えてのものなんだろう。それにしても、本書が書かれた当時(2019年)には考えられなかった大谷のさらなる飛躍には、ただただ驚くばかり。
読了日:12月08日 著者:小関 順二
売れるには理由があるの感想
あっという間に読んでしまったが、古今東西の芸人43人について「ネタ」を題材にひもとくコラムをまとめたもの。知っているエピソードも多数あったものの、一つ一つの文章量がちょうどよいせいか、サクサクと読めた。それにしても誤字脱字が多かったが、太田出版だから仕方ないのか?
読了日:12月11日 著者:戸部田 誠,てれびのスキマ
平成の東京 12の貌 (文春新書)の感想
中学生の時に迎えた平成も終わってしまい、気づけば令和も4年。昭和、平成、令和と移り行くなかで、令和の東京の市井の風景をクローズアップしたノンフィクション作品が12編。ノンフィクション作家12人が、それぞれの視点から見つめていくもので、それぞれのテーマ選びも面白かった。印象に残ったのは、フィリピンからの出稼ぎの話かな。フィリピン人は英語も話せて、よく言えば能天気。それが「新3K職場」に欠かせないとか。西葛西のITインド人たちの話もとても印象に残った。知らない話が多く、思わぬ拾い物の一冊。
読了日:12月13日 著者:
居酒屋を極める (新潮新書)の感想
外で酒を飲むことの楽しさ、楽しみ方がよくわかる本。一人で飲みに行くことが多いワタクシには、とても共感できる部分が多かった。章立てされていて読みやすいが、阪神淡路大震災、東日本大震災の際の酒飲みならではのエピソードには、胸を熱くさせられた。一冊を読み終わった後には、飲みに行きたくなること必至。
読了日:12月15日 著者:太田 和彦
幸福論 「しくじり」の哲学の感想
芸能界で何度も絶頂と転落を繰り返しながら、手を変え品を変え、再び浮上してくるオリラジの中田の著作。ちょうど活動の場をテレビからYouTubeに移したころに書いたものだが、その物事に対する考え方を明らかにしている。自身の幼少期からの振り返りもあったが、やっぱり勉強もできるし、地頭がいいんだろう。おそらく本書もゴーストではなく本人が書いたに違いない。常日頃から相当な勉強と努力をしていることがうかがえ、思いのほか好感を持つに至った。
読了日:12月20日 著者:中田敦彦
大宮エリーのなんでコレ買ったぁ?!の感想
このところ、トイレでダラダラ読む本として、大宮エリーさんにハマっている。次から次へと本棚から引っ張り出している次第だが、今回は、エリーさんが無駄遣いで購入したあれこれを一つずつ振り返るコラム集。まあ、いらないものだらけ(笑)なんだが、購入時のエピソードは笑えるものばかりだし、捨てられないという心情もよくわかる。自分と同じ種族の人間なんだなあ・・・と、すっかり楽しませていただきました。ツボ多数。さあ、年末の大掃除では断捨離するぞ!
読了日:12月20日 著者:大宮 エリー
新エバンジェリスト養成講座の感想
ずいぶん前に購入し積読になっていたのだが、なぜかいきなり手にして読んだ。プレゼン出、パワーポイント資料の作り方のコツといった内容なんだが、さすがプレゼンのプロだけあって、よみやすく、なるほどとうなづくこと多数。話し方のNGポイントについては、自分自身にもろに当てはまっていたので、大変参考になった。よもやの再読したい一冊。
読了日:12月20日 著者:西脇資哲
だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 (集英社文庫)の感想
前作も読ませてもらったが、本作はなおのこと濃度が濃い。コールセンターがタイにあり、ましてやそこで日本人が数多く働いているなんて知らなかった。タイという場所柄ならではの事象、そして日本における非正規雇用者の問題など、登場人物のすべてが、これまでに見たこともない日本人ばかりだ。先行きが見えない中、いっときの快楽か、あるいはそうするよりほかないのか。。。なかなかに考えさせられる。それを彼らが望んでいないにしろもっと報道されてもいいんじゃないかと感じた。
読了日:12月29日 著者:水谷 竹秀
読書メーター
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2022年11月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241690878/
2022-12-31T01:18:00+09:00
2022-12-31T01:18:37+09:00
2022-12-31T01:18:37+09:00
anken99
読書
2桁届かず。。。まあ仕方ないか。
それはさておき、すっかりハマってしまっているのがIWGPシリーズ。
今月も2冊読んでしまった。
なぜこれまで手にしてこなかったのかが不思議なくらいである。
11月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2566
ナイス数:118
Gボーイズ冬戦争 池袋ウエストゲートパークVII (文春文庫)の感想
IWGP、はまりにはまって7冊目に突入!本作もテンポ抜群、ますますマコトのひらめきと動きが冴えわたる。今回の収録策では、キングことタカシが、キングの座を追いやられるかという話が秀逸。「影」という存在のキャラクターも、もうなんだか抜群にいい。というわけで、第8作も購入し、次に備える次第。
読了日:11月05日 著者:石田 衣良
証言UWF 完全崩壊の真実の感想
けっこう一気読み。このシリーズも最後か。ここにきて高田がインタビューを受けており、これはこれで貴重か。UWFインター、藤原組、そしてリングスと、それぞれを彩ったメンバーの貴重なインタビューが満載。最後に収載されているのが大仁田ってところもまた味わい深い限り。PRIDEすらなくなってしまい、RIZINへと移行、さらには民放の放送が打ち切りなど、時代の流れを感じてやまない。
読了日:11月05日 著者:高田 延彦,船木 誠勝,坂田 亘,ミノワマン,大仁田 厚,ほか
劇場の感想
『火花』以来の又吉作品を手にする。こちらのほうが先に書かれたようだが、こちらの主人公はお笑い芸人ではなく劇団員。そして共通するのは下積みゆえの貧乏で鬱屈した日々・・・。本作はそういった背景での恋物語といえるが、あまりにも切ない。『火花』以上の切なさ。不器用な主人公がもがく様子が切々とつづられていく。
読了日:11月07日 著者:又吉 直樹
ヤクルトスワローズ論 (MdN新書)の感想
定期的に読んでいるノムさん本。何度も何度も語られる内容は、ほぼ同じなんだが(笑)、野村ismの信奉者としては、やはり読まねばならない。本書は、逝去前の作品としては最後に近いものなんだが、そのタイトルは「ヤクルトスワローズ論」。しかしながらタイトルと内容の乖離ときたら。。。ノムさんファンじゃなかったら、怒っちゃうかもしれないです(笑)
読了日:11月12日 著者:野村 克也
これにて、便所は宇宙であるの感想
千原ジュニアが雑誌『SPA!』で連載していたコラムをまとめたもの。本作がついに最終巻となる。その名の通り、トイレで思考し、トイレにあるネタ帳に書き留めていったものだが、その数は500編を超えたという。著者にならって私はこちらをトイレに常備し、ちまちまと読み進めていった。長年の連載で、結婚という生活の変化があったりと、たしかに思考の変化が見られて興味深い。巻末に収載されていた板尾さんとの対談も秀逸。
読了日:11月15日 著者:千原 ジュニア
非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークVIII (文春文庫)の感想
関西出張の新幹線にて一気読み。いやはや、読めば読むほど面白いし、時世を反映した内容やスピード感は、とにかく心地よいばかり。エンタメ作品として完成の域に達している。シングルマザーに非正規労働者など、時事ネタをしっかり盛り込み、それをエンタメに昇華させる技量はすばらしい。
読了日:11月23日 著者:石田 衣良
一発屋芸人の不本意な日常の感想
ルネッサンス!で見事に当てるも没落?した貴族。その毎日やこれまでについて、シュールにかつ面白くまとめているエッセイ集。読み進めてなるほど!関西の御三家中学に入学した神童だった過去(もっともその後ひきこもりに入ったわけだが)は知らなかったが、地頭がよいんだろう。非常に読みやすく、またジワリと味わい深い文章はついつい引き込まれてしまう。
読了日:11月23日 著者:山田ルイ53世
受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実 (新潮新書)の感想
ワタクシの娘も小2になった。習い事はやっているものの、塾やお受験とは無縁・・・。そんななかで興味本位で手にしたのがコチラの本。幼稚園から大学まで、現在の日本における受験や教育についてが網羅されて解説されていて、非常にわかりやすい内容。そもそも教育や試験のシステムが、自分が体験してきたころとは様変わりしていることがよくわかり、またこれからまだまだ変化していくことをも知った。子供にとって何が幸せで、どんなことをするのが可能性の枠を広げることになるのか、じっくりと考えなければならないと痛切に感じた。
読了日:11月30日 著者:おおたとしまさ
片づけたい: 暮らしの文藝の感想
掃除や片付けが苦手(?)な作家たちによるエッセイ集。みんなワタクシと同じなんだなあと、共感することしきり。なんか散らかっちゃうんだよな。松浦弥太郎氏の「机の上が片付いていないと、思考も整理できない」という言葉は実に的を得ている。今年の大掃除こそ断捨離をしなければ・・・。
読了日:11月30日 著者:赤瀬川 原平,阿川 佐和子,新井 素子,有元 葉子,有吉 玉青
読書メーター
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2022年10月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241666242/
2022-11-30T12:51:00+09:00
2022-11-30T12:51:50+09:00
2022-11-30T12:51:50+09:00
anken99
読書
なんとか2桁か。
疲れ気味だったせいか、大宮エリーさんの著書を立て続けに再読して元気をもらったりと。
そんななかで最高だったのは、ミスターの名作「燃えた、打った、走った!」。
若かったころの著作とあって、もう長嶋節満載でエネルギーに満ち溢れている良書でした。
10月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2760
ナイス数:97
カラスをだます (NHK出版新書 646)の感想
害鳥?として認知されてしまうカラス。これだけ私たちの身近にいる鳥に対して、異様なまでの執着心をもって取り組む研究者の著書。カラスを追い払うための取り組み、カラスの習性など、知らなかったこと多数で、なかなか勉強になる。カラスを食すという取り組みは、ちょっとなじめなかったが・・・。後半はダレ気味?の内容ではあったが、毎日ベランダの外でアーアーと鳴いているカラスのことを、少しでも知ることができたのはよかったのではないかと思う。
読了日:10月05日 著者:塚原 直樹
潜入・ゴミ屋敷-孤立社会が生む新しい病 (中公新書ラクレ, 733)の感想
昨今、いろいろなところで取りざたされている「ゴミ屋敷」問題。著者はゴミ屋敷の片付け業者に同行(というより、ほぼ社員となり)、現場でさまざまな実例に遭遇、そしてそこから現代が抱える問題をあぶりだしている。ゴミ屋敷になってしまう人の特徴、これはとても興味深い。外での社会生活をきちんと送れている人がなってしまうというのはびっくりだし、身寄りのない高齢者の実例なども緊迫感にあふれている。結局のところは、ゴミ屋敷になってしまう人というのは、間違いなく「病気」なのだということ。誰しもなってしまう可能性はあるから怖い。
読了日:10月05日 著者:笹井 恵里子
勝つプロ野球監督論の感想
プロ野球のさまざまな監督について、独自の観点から洞察した一冊。出てくる監督が、長嶋監督以降ということもあって、リアルに体験していた世代としては、とても興味深かった。そんななかでも、巨人中日のあの最終戦天王山を前にしての長嶋監督のエピソード・・・桶狭間の戦いとたとえ、選手を一気に鼓舞する手法にしろ、やはりカンや天性だけで動いているのではないんじゃないかと、天才長嶋の奥深さをあらためて知る思い。本全体を通して、基本的に批判ではなく、好意的な見方での評ということもあって、独語の満足感は高し。
読了日:10月11日 著者:鷲田 康
go fight Vol.1 (スコラムック)の感想
猪木さんが死去。そのニュースを受けて思い出し、本棚から引っ張り出した1冊。版元は違うが、現在の「KAMINOGE」の原型ともいえるこのムック本には、なんと東日本大震災の日の午後に実施した猪木のインタビューが掲載されているのだ。時折断続的に続く揺れの中で、猪木の大局的な考えの下での言葉が感慨深い。燃える闘魂、永遠に。
読了日:10月13日 著者:
生きるコント (文春文庫)の感想
たまに再読したくなるエリーさんのコラム集。2019年11月以来か。あとがきには、エリーさんが「ウンコするときにでも読んでください」といって知り合いに渡しているとあったが、ワタクシもまさにその通りのスタイルで、トイレに常備して読んでいた!コラムでつづられるエリーさんの怒涛の日々は、まさにエネルギッシュでパワフルそのもの。仕事が多忙すぎて滅入っていたときに、大いに元気と勇気を与えてくれるエピソードと言葉にあふれている。続編も続いて読み始めた次第。
読了日:10月13日 著者:大宮 エリー
灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)の感想
ますます面白いIWGPシリーズ。ハマって手にしたのは第6作目となる。今回も、どこからかぎつけてきたのか、マコトのもとには、なかなかヘビーな案件を持った依頼者が続く。それにしても、この自分語りの文体がなんとも心地よい。初出は2004年とのことだが、面白さは色あせることはないのが不思議。当時の世相や流行を懐かしく感じられるあたりも、この作品ならではの魅力か。さあ次も楽しみである。
読了日:10月18日 著者:石田 衣良
落合博満 アドバイス―――指導者に明かす野球の本質の感想
落合が監督を退任した後、社会人野球をじっくりと眺め、そこから社会人野球を例にとって、独自の監督論を展開。社会人野球とプロ野球のひな型は違えど、やはり自身が東芝府中という社会人野球出身者であるせいか、そこへの愛を感じることができたのは意外であった。一見するとドライだと思われがちだが、やはり落合ほど情に熱い監督はいないと、あらためて痛感。
読了日:10月18日 著者:落合 博満
政治を選ぶ力 (文春新書)の感想
橋下さんと、近年よくテレビで顔を見る三浦氏の対談。三浦氏については、著作も含めて初だったんで、少し楽しみにはしていたんだが・・・。正直言って、話があまりかみ合ってない印象。というか、三浦氏が頭が堅いというか、相手の話や意見に聞く耳を持たないというか・・・。さすがの橋下さんも、苦笑いという感じの印象。ちょっと期待外れというか、残念というのが正直な感想だ。
読了日:10月26日 著者:橋下 徹,三浦 瑠麗
紋切型社会 (新潮文庫)の感想
何年か前に話題になっていた本。読んでみての感想は、まず「思っていた内容とは違った」である。言葉によって定義されがちの日本社会のあれこれを、独特の目線で斬っていく内容なんだが、まあなんというか、押しつけがましいというか、人の言葉尻をつつくというか・・・。あまり自分にはフィットする内容の本ではなかった。
読了日:10月27日 著者:武田 砂鉄
生きるコント 2 (文春文庫)の感想
前作に続いて再読。やっぱりすごいぜ、エリーさん!あまりにもドラマチックな日々と、超前向き思考な生き方。失敗を失敗とは思わないその毎日に、すっかり元気をもらってしまった。かえすがえすも面白いエッセイだけに、またどこかで連載をしてくれないかなと願うばかり。
読了日:10月29日 著者:大宮 エリー
燃えた、打った、走った! (単行本)の感想
最高だった!長嶋さんが、ちょうど現役を引退し、青年監督に就任したころに書かれた半生記。長嶋ファンにはたまらない内容であることは間違いない。幼少期や選手時代のエピソードも多数、長嶋節全開で語られるあれこれは、そのすべてが絵になるし、エネルギーに満ち溢れている。不世出のスーパースター、それが長嶋茂雄なんだろう。
読了日:10月29日 著者:長嶋 茂雄
読書メーター
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2022年8月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241593577/
2022-09-29T13:28:00+09:00
2022-09-29T13:28:05+09:00
2022-09-29T13:28:05+09:00
anken99
読書
久しぶりの2桁です。
アタリという意味では、百田尚樹「夢を売る男」がイチオシ。
自分が関係している業界が舞台とあって、グイグイと引き込まれ、面白く読めました。
8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2666
ナイス数:111
夢を売る男 (幻冬舎文庫)の感想
これは面白かった!タイトルから、その中身か!と思わず手をたたきなる感じ。本書の主人公は自費出版ビジネスで「夢を売る男」。自分の本を出版したいという人をだますのではなく、お金を払って夢を実現してもらうというビジネスライクな手法がすごい。顧客の多くが、本を出したことに満足する、そこにビジネスチャンスを見つけたところがウマい。詐欺師を見るような感覚ではなく、なるほどなあと仕事の参考になること多数。そして最後の終わり方がまたGOOD。仕事への取り組み方、考えてしまうな。
読了日:08月03日 著者:百田 尚樹
吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集の感想
玉ちゃんのインタビュー本からの流れで、こちらも再読。聞き手が違うと、こうも中身が変わってくるものか。本書はメジャーなレスラーへのインタビューも多く、エンタメ性も十分。それでいて、B級といえそうなレスラーのトークも面白くて、ついついページをめくるスピードが上がってしまった次第。連載時は登場していたという前田日明の回は読んでみたいなあ。
読了日:08月03日 著者:吉田 豪
ブラ男の気持ちがわかるかい? (文春文庫)の感想
裁判長シリーズは、ずいぶん前にハマってすべて読んだ記憶があるが、そんな北尾トロさんの著作。子供もできて、すっかりオッサンになったトロさんだが、あれやこれやと実践で体験していく連載。なんだろうな。オッサンになって体力やら思考やらに、若かりし頃のようにはいかない違和感を感じるあたりがものすごく共感。涙もろくなっているあたりも、オッサン世代としてはたまりません。「やってみよう精神」、これは自分も見習わないとな。
読了日:08月18日 著者:北尾 トロ
さよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録の感想
一気読み。旅先のホテルで一気に引き込まれることしきり。世にあるプロレス本とは異なり、淡々と丁寧な取材をしている著者に好感。そして武藤の歴史が新日の歴史と重なり、そしてプロレスの歴史をもひもといていく。プロレス本としては非常に良書だと思う。おりしも、武藤も引退宣言をしてしまった今、味わい深く楽しませていただいた一冊でした。
読了日:08月18日 著者:福留崇広
漁魂―2020年東京五輪、「江戸前」が「EDOMAE」に変わる!の感想
船橋に在住していたころから、大野さんや大傳丸の存在は知っており、ウェブサイトなどもチェックしていた。このタイミングで著作を読めるとは思わなかった。自身の半生、そして東京湾での漁業にかける思いが存分につづられている本作。東京湾・船橋のスズキをブランド化し、現代都市型漁業の一つの形を作り上げた大野さんの行動力と発想には目をみはるばかり。大卒で漁師を継ぐという稀有な例だろうが、だからこそ旧式の考えにとらわれない、未来の漁業をクリエイトしているのだろう。大野さんのスズキ、ぜひ一度食べてみたいものだ。
読了日:08月20日 著者:大野 和彦
東京笑芸ざんまい わたしの芸能さんぽの感想
高田文夫さんの連載をまとめた三部作。東京の笑い、昭和の笑いを徹底的に解説するものだ。本作も、東京の笑いを追求する者には垂涎の内容。とても勉強になる。ただ、三部作に関しては、やはり圧倒的に最初の作品が群を抜いて内容がよかった。
読了日:08月21日 著者:高田 文夫
サムのこと 猿に会う (小学館文庫)の感想
一気読み。疲れてるなあと思った時、西加奈子さんの作品はジワリと身に染みて活力をもらえる。本書は3篇の短編集。西作品は爆発的な感じの作品と、ほんのりとやさしい作品の2通りがあると思うんだが、本書に収録されている3作品はいずれも後者。登場人物もシチュエーションもばらばらだが、共通するのは友情。友人の死をきっかけにそれぞれをおもんばかる友情、幼少期から変わらぬ友情、そして旅立ちの時を迎えても変わらぬ友情。男女、女同士、男同士と、その形態は違うが、そこに共通するのは圧倒的なやさしさ。やっぱり西加奈子作品は最高だ!
読了日:08月22日 著者:西 加奈子
あの人が好きって言うから…-有名人の愛読書50冊読んでみた (単行本)の感想
正直残念な内容。薄っぺらいし、記述も面白くなく。あとがきを読んで納得。著者のモットーは「極力取材をせずに原稿を書くこと」だとか・・・。言葉が見つかりません。時間の無駄でした。
読了日:08月23日 著者:ブルボン 小林
サービスの達人たち :おもてなしの神 (新潮文庫)の感想
このシリーズ、久々に読んだが、その道のプロには、やはり見習うべきところ多数。ここに出てくる10人は、どっかの誰かが五輪誘致の際に口にした「お・も・て・な・し」などとは全く異なる、お客の立場に立ったサービスばかり。それぞれが仕事に誇りを持っているプロであり、自分自身がそのサービスを受けてみたいと思うものばかりであった。印象的だったのは、日暮里の立ち食いそば屋「一由そば」の話。ここは実際に足を運ぶことにしよう。
読了日:08月30日 著者:野地 秩嘉
これこそが後藤の感想
お笑い第七世代にくくられる、四千頭身の後藤の連載エッセイをまとめたもの。まあ、実物さながらのテンションの文章というか、あたかも本人がトークしているかのような感じにとらわれた。内容そのものは、まだまだかな。独特の視点は印象的だったのだが、それが素なのか、演じているのか、ちょっとわからないところがある。
読了日:08月31日 著者:後藤 拓実
読書メーター
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2022年8月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241593576/
2022-09-29T13:27:00+09:00
2022-09-29T13:27:47+09:00
2022-09-29T13:27:47+09:00
anken99
読書
久しぶりの2桁です。
アタリという意味では、百田尚樹「夢を売る男」がイチオシ。
自分が関係している業界が舞台とあって、グイグイと引き込まれ、面白く読めました。
8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2666
ナイス数:111
夢を売る男 (幻冬舎文庫)の感想
これは面白かった!タイトルから、その中身か!と思わず手をたたきなる感じ。本書の主人公は自費出版ビジネスで「夢を売る男」。自分の本を出版したいという人をだますのではなく、お金を払って夢を実現してもらうというビジネスライクな手法がすごい。顧客の多くが、本を出したことに満足する、そこにビジネスチャンスを見つけたところがウマい。詐欺師を見るような感覚ではなく、なるほどなあと仕事の参考になること多数。そして最後の終わり方がまたGOOD。仕事への取り組み方、考えてしまうな。
読了日:08月03日 著者:百田 尚樹
吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集の感想
玉ちゃんのインタビュー本からの流れで、こちらも再読。聞き手が違うと、こうも中身が変わってくるものか。本書はメジャーなレスラーへのインタビューも多く、エンタメ性も十分。それでいて、B級といえそうなレスラーのトークも面白くて、ついついページをめくるスピードが上がってしまった次第。連載時は登場していたという前田日明の回は読んでみたいなあ。
読了日:08月03日 著者:吉田 豪
ブラ男の気持ちがわかるかい? (文春文庫)の感想
裁判長シリーズは、ずいぶん前にハマってすべて読んだ記憶があるが、そんな北尾トロさんの著作。子供もできて、すっかりオッサンになったトロさんだが、あれやこれやと実践で体験していく連載。なんだろうな。オッサンになって体力やら思考やらに、若かりし頃のようにはいかない違和感を感じるあたりがものすごく共感。涙もろくなっているあたりも、オッサン世代としてはたまりません。「やってみよう精神」、これは自分も見習わないとな。
読了日:08月18日 著者:北尾 トロ
さよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録の感想
一気読み。旅先のホテルで一気に引き込まれることしきり。世にあるプロレス本とは異なり、淡々と丁寧な取材をしている著者に好感。そして武藤の歴史が新日の歴史と重なり、そしてプロレスの歴史をもひもといていく。プロレス本としては非常に良書だと思う。おりしも、武藤も引退宣言をしてしまった今、味わい深く楽しませていただいた一冊でした。
読了日:08月18日 著者:福留崇広
漁魂―2020年東京五輪、「江戸前」が「EDOMAE」に変わる!の感想
船橋に在住していたころから、大野さんや大傳丸の存在は知っており、ウェブサイトなどもチェックしていた。このタイミングで著作を読めるとは思わなかった。自身の半生、そして東京湾での漁業にかける思いが存分につづられている本作。東京湾・船橋のスズキをブランド化し、現代都市型漁業の一つの形を作り上げた大野さんの行動力と発想には目をみはるばかり。大卒で漁師を継ぐという稀有な例だろうが、だからこそ旧式の考えにとらわれない、未来の漁業をクリエイトしているのだろう。大野さんのスズキ、ぜひ一度食べてみたいものだ。
読了日:08月20日 著者:大野 和彦
東京笑芸ざんまい わたしの芸能さんぽの感想
高田文夫さんの連載をまとめた三部作。東京の笑い、昭和の笑いを徹底的に解説するものだ。本作も、東京の笑いを追求する者には垂涎の内容。とても勉強になる。ただ、三部作に関しては、やはり圧倒的に最初の作品が群を抜いて内容がよかった。
読了日:08月21日 著者:高田 文夫
サムのこと 猿に会う (小学館文庫)の感想
一気読み。疲れてるなあと思った時、西加奈子さんの作品はジワリと身に染みて活力をもらえる。本書は3篇の短編集。西作品は爆発的な感じの作品と、ほんのりとやさしい作品の2通りがあると思うんだが、本書に収録されている3作品はいずれも後者。登場人物もシチュエーションもばらばらだが、共通するのは友情。友人の死をきっかけにそれぞれをおもんばかる友情、幼少期から変わらぬ友情、そして旅立ちの時を迎えても変わらぬ友情。男女、女同士、男同士と、その形態は違うが、そこに共通するのは圧倒的なやさしさ。やっぱり西加奈子作品は最高だ!
読了日:08月22日 著者:西 加奈子
あの人が好きって言うから…-有名人の愛読書50冊読んでみた (単行本)の感想
正直残念な内容。薄っぺらいし、記述も面白くなく。あとがきを読んで納得。著者のモットーは「極力取材をせずに原稿を書くこと」だとか・・・。言葉が見つかりません。時間の無駄でした。
読了日:08月23日 著者:ブルボン 小林
サービスの達人たち :おもてなしの神 (新潮文庫)の感想
このシリーズ、久々に読んだが、その道のプロには、やはり見習うべきところ多数。ここに出てくる10人は、どっかの誰かが五輪誘致の際に口にした「お・も・て・な・し」などとは全く異なる、お客の立場に立ったサービスばかり。それぞれが仕事に誇りを持っているプロであり、自分自身がそのサービスを受けてみたいと思うものばかりであった。印象的だったのは、日暮里の立ち食いそば屋「一由そば」の話。ここは実際に足を運ぶことにしよう。
読了日:08月30日 著者:野地 秩嘉
これこそが後藤の感想
お笑い第七世代にくくられる、四千頭身の後藤の連載エッセイをまとめたもの。まあ、実物さながらのテンションの文章というか、あたかも本人がトークしているかのような感じにとらわれた。内容そのものは、まだまだかな。独特の視点は印象的だったのだが、それが素なのか、演じているのか、ちょっとわからないところがある。
読了日:08月31日 著者:後藤 拓実
読書メーター
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2022年8月に読んだ本
http://anken.exblog.jp/241593575/
2022-09-29T13:27:00+09:00
2022-09-29T13:27:45+09:00
2022-09-29T13:27:45+09:00
anken99
読書
久しぶりの2桁です。
アタリという意味では、百田尚樹「夢を売る男」がイチオシ。
自分が関係している業界が舞台とあって、グイグイと引き込まれ、面白く読めました。
8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2666
ナイス数:111
夢を売る男 (幻冬舎文庫)の感想
これは面白かった!タイトルから、その中身か!と思わず手をたたきなる感じ。本書の主人公は自費出版ビジネスで「夢を売る男」。自分の本を出版したいという人をだますのではなく、お金を払って夢を実現してもらうというビジネスライクな手法がすごい。顧客の多くが、本を出したことに満足する、そこにビジネスチャンスを見つけたところがウマい。詐欺師を見るような感覚ではなく、なるほどなあと仕事の参考になること多数。そして最後の終わり方がまたGOOD。仕事への取り組み方、考えてしまうな。
読了日:08月03日 著者:百田 尚樹
吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集の感想
玉ちゃんのインタビュー本からの流れで、こちらも再読。聞き手が違うと、こうも中身が変わってくるものか。本書はメジャーなレスラーへのインタビューも多く、エンタメ性も十分。それでいて、B級といえそうなレスラーのトークも面白くて、ついついページをめくるスピードが上がってしまった次第。連載時は登場していたという前田日明の回は読んでみたいなあ。
読了日:08月03日 著者:吉田 豪
ブラ男の気持ちがわかるかい? (文春文庫)の感想
裁判長シリーズは、ずいぶん前にハマってすべて読んだ記憶があるが、そんな北尾トロさんの著作。子供もできて、すっかりオッサンになったトロさんだが、あれやこれやと実践で体験していく連載。なんだろうな。オッサンになって体力やら思考やらに、若かりし頃のようにはいかない違和感を感じるあたりがものすごく共感。涙もろくなっているあたりも、オッサン世代としてはたまりません。「やってみよう精神」、これは自分も見習わないとな。
読了日:08月18日 著者:北尾 トロ
さよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録の感想
一気読み。旅先のホテルで一気に引き込まれることしきり。世にあるプロレス本とは異なり、淡々と丁寧な取材をしている著者に好感。そして武藤の歴史が新日の歴史と重なり、そしてプロレスの歴史をもひもといていく。プロレス本としては非常に良書だと思う。おりしも、武藤も引退宣言をしてしまった今、味わい深く楽しませていただいた一冊でした。
読了日:08月18日 著者:福留崇広
漁魂―2020年東京五輪、「江戸前」が「EDOMAE」に変わる!の感想
船橋に在住していたころから、大野さんや大傳丸の存在は知っており、ウェブサイトなどもチェックしていた。このタイミングで著作を読めるとは思わなかった。自身の半生、そして東京湾での漁業にかける思いが存分につづられている本作。東京湾・船橋のスズキをブランド化し、現代都市型漁業の一つの形を作り上げた大野さんの行動力と発想には目をみはるばかり。大卒で漁師を継ぐという稀有な例だろうが、だからこそ旧式の考えにとらわれない、未来の漁業をクリエイトしているのだろう。大野さんのスズキ、ぜひ一度食べてみたいものだ。
読了日:08月20日 著者:大野 和彦
東京笑芸ざんまい わたしの芸能さんぽの感想
高田文夫さんの連載をまとめた三部作。東京の笑い、昭和の笑いを徹底的に解説するものだ。本作も、東京の笑いを追求する者には垂涎の内容。とても勉強になる。ただ、三部作に関しては、やはり圧倒的に最初の作品が群を抜いて内容がよかった。
読了日:08月21日 著者:高田 文夫
サムのこと 猿に会う (小学館文庫)の感想
一気読み。疲れてるなあと思った時、西加奈子さんの作品はジワリと身に染みて活力をもらえる。本書は3篇の短編集。西作品は爆発的な感じの作品と、ほんのりとやさしい作品の2通りがあると思うんだが、本書に収録されている3作品はいずれも後者。登場人物もシチュエーションもばらばらだが、共通するのは友情。友人の死をきっかけにそれぞれをおもんばかる友情、幼少期から変わらぬ友情、そして旅立ちの時を迎えても変わらぬ友情。男女、女同士、男同士と、その形態は違うが、そこに共通するのは圧倒的なやさしさ。やっぱり西加奈子作品は最高だ!
読了日:08月22日 著者:西 加奈子
あの人が好きって言うから…-有名人の愛読書50冊読んでみた (単行本)の感想
正直残念な内容。薄っぺらいし、記述も面白くなく。あとがきを読んで納得。著者のモットーは「極力取材をせずに原稿を書くこと」だとか・・・。言葉が見つかりません。時間の無駄でした。
読了日:08月23日 著者:ブルボン 小林
サービスの達人たち :おもてなしの神 (新潮文庫)の感想
このシリーズ、久々に読んだが、その道のプロには、やはり見習うべきところ多数。ここに出てくる10人は、どっかの誰かが五輪誘致の際に口にした「お・も・て・な・し」などとは全く異なる、お客の立場に立ったサービスばかり。それぞれが仕事に誇りを持っているプロであり、自分自身がそのサービスを受けてみたいと思うものばかりであった。印象的だったのは、日暮里の立ち食いそば屋「一由そば」の話。ここは実際に足を運ぶことにしよう。
読了日:08月30日 著者:野地 秩嘉
これこそが後藤の感想
お笑い第七世代にくくられる、四千頭身の後藤の連載エッセイをまとめたもの。まあ、実物さながらのテンションの文章というか、あたかも本人がトークしているかのような感じにとらわれた。内容そのものは、まだまだかな。独特の視点は印象的だったのだが、それが素なのか、演じているのか、ちょっとわからないところがある。
読了日:08月31日 著者:後藤 拓実
読書メーター
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20220919:西武VS楽天
http://anken.exblog.jp/241585537/
2022-09-20T00:43:00+09:00
2022-09-20T00:43:59+09:00
2022-09-20T00:43:59+09:00
anken99
スポーツ
しかしながら、CS進出瀬戸際のライオンズ3連戦の最終戦。
3連勝がかかってるとなれば行くしかない。
ということで、電車をあきらめて車で西武ドームへと出動。
今は「ベルーナドーム」という。
さて、今日は西武・内海投手の引退試合。
残念ながら、渋滞で間に合わなかったが、球場のいたるところで内海ユニを着用したファンを見かけた。
巨人ユニも多数で、ファンに愛された選手だったんだと感じた次第。
試合のほうは、いいところまで点が取れずヤキモキしながらも、なんとか楽天が最終回までリードを保つ。
今日は、小2の子供と一緒だったので、最終回表の攻撃を見て球場を出たのだが・・・。
その後、同点に追いつかれるも、なんとか延長で勝ち越し!!
なんとしてもCSに進出してくれ!!
楽天戦は、今年はこれで終わりかな。
いやもう1試合くらいは行きたいものだ。
車だったので、ノンアルレモンサワーでガマン。。。
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