2月に読んだ本は13冊。
日数が少ない割りに効率的に読み込めた。
どれもよかったが、秀逸なのが健さんの『あなたに褒められたくて』。
あたかも健さんに目の前で話しかけられているかのような錯覚を覚えるほどで、ジンワリと暖かな名作だと思う。
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3020ページ
ナイス数:240ナイス
世界から猫が消えたなら (小学館文庫)の感想
話題の本を読了。胸がじんわりと熱くなる読後感。人は何かを得る代わりに、何かを失うのだということを、あらためて感じさせてくれた。子供が生まれ、母が病を患った今の自分には、なおのこと深い。中森明夫によるあとがきがまた味わい深い。できれば何冊も買えという気持ちはよくわかる。
読了日:2月3日 著者:川村元気
あなたに褒められたくて (集英社文庫)の感想
先日、急逝した高倉健さんのエッセイ集。じんわりと温かい、なにか健さんの人柄が伝わってくるものであった。とにかく思いやりに満ちた人だったんだなと思う。日本人らしい、こんな男になりたい。小林稔侍さんとのエピソードが、とても心に染みた。
読了日:2月4日 著者:高倉健
無名 (幻冬舎文庫)の感想
出張先の高松で、酒場→ホテルで一気読み。沢木ファンとしては、これはかなり異質なノンフィクション作品。その対象は実の父である。その父親が余命わずかとなってからの対話、あるいは対話にならない思いという展開には、あっという間に引き込まれてしまった。この父親がいたからこそ、いまの沢木さんがあるように思えた。自分の両親は健在だが、いつかそんなときはやってくる。だからこそ、いま、現在を大切にしたいとも思えた。
読了日:2月5日 著者:沢木耕太郎
紙の月 (ハルキ文庫)の感想
主人公・梨花を中心に4人の登場人物のそれぞれの人生が展開される。緊迫するストーリーにハラハラとしてしまったが、さすが読ませてくれる。それにしても、お金で人生を破綻してしまう登場人物たちは非現実的な世界でありながらも、こんなことは誰の身にも日常的に起こる、あるいはすでに起きているんじゃないかと考えさせられた。あと、映画の帯がついていたこともあって、読んでいる途中、どうしても梨花と宮沢りえがかぶってしまったが・・・。角田作品、初読だったが、さすが人気作家と思わせるだけの内容で、他の作品も読んでみたい。
読了日:2月5日 著者:角田光代
ロスジェネの逆襲の感想
読もう読もうと思いながら、タイミングをうかがっていた本作。前作、前々作が痛快・面白小説だっただけに、圧倒的な期待を持って読み始めた。で、昨日は寝たのが3時。途中で読むことをやめられない面白さ。半沢自身の存在感が少し薄いようにも感じたが、本作でも勧善懲悪のストーリーが展開していく。次は、次は、という具合に、ページをめくる手が止まらなかった。出向先での半沢の活躍、これもまたよしです。『銀翼のイカロス』も早く読もう!
読了日:2月6日 著者:池井戸潤
バカの正体 (角川oneテーマ21)の感想
天才テリーが語るバカ論・・・かと思いきや、現代日本人に対して厳しく突っ込む人生論、人間論であった。怒りがメインの内容だが、以外にも内容や考え方はまともそのもの。説教くさくもあるが、あとがきで、自分もバカの一人なんだという一節を読み、テリーさんらしいなと思った。サクッと読めます。
読了日:2月9日 著者:テリー伊藤
一番、一番!真剣勝負の感想
朝青龍が横綱全盛期に発刊された本。おそらく朝青龍が口述したものだろうが、大相撲の放送を手がけるNHKの出版物だけあって、きちんとした作りだと思う。本書では、高校時代に日本にやってきてからの苦労話が語られるのだが、読んでみて思ったのは、実は朝青龍は大変な努力家であり、礼節をわきまえた人物なのではないかということ。激情型ゆえに、引退を強いられたのだろうが、現在の白鵬を見ていると、朝青龍がいたのであれば、どうなっていたのかと考えさせられる。読みやすく、朝青龍に好感を持ってしまった一冊だった。
読了日:2月10日 著者:朝青龍明徳
BRUTUS (ブルータス) 2015年 1/15号 [雑誌]の感想
毎年、つい買ってしまうこの特集。今回も、Amazonの「ほしいものリスト」に加えてしまった本が多数でした。
読了日:2月11日 著者:
憂鬱でなければ、仕事じゃないの感想
幻冬舎の見城氏とサイバーエージェントの藤田氏との書簡。見城氏の著書はあれこれ読んできて、また、共感もしてきたのだが、本書を読んだ限りでは、どこか丸くなったかの印象を受けた。親子ほども年の違う二人の経営者だが、ときに意見を異にしている部分があることは興味深い。彼らは成功者でありながら、いまだ挑戦者であり続けている部分には、何か印象深い感があった。
読了日:2月12日 著者:見城徹,藤田晋
風景は記憶の順にできていく (集英社新書)の感想
椎名誠が、これまでの人生を過ごした場所、縁があった場所を、あらためて訪ねその風景を確認するというノンフィクション。25年来の椎名ファンとしては、基本中の基本の新橋あり、幕張(浦安)あり、中野あり、ほか数箇所を訪ねた最後が新宿というのがまた味がある。それにしても、ほとんどの場所が変わってしまっているなかで、四万十川の流れ、それに西表の自然が変わっていないということには、何か印象的であった。
読了日:2月16日 著者:椎名誠
爆笑問題のニッポンの教養 現代の秘境は人間の"こころ"だ 芸術人類学の感想
このシリーズ、ちょこちょこ読んでいるが、今回の訪問相手の中沢新一さんは、太田が昔から敬意を持っている人物だけあって見もの。芸術人類学というと堅苦しいが、そのじつ、人間という生き物の研究。中沢先生が実践しているというアースダイバーには興味を持った。
読了日:2月20日 著者:太田光,田中裕二,中沢新一
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編の感想
このシリーズを読んだのは初めてだったが、さすがヒットしているだけあって面白い。各界の著名人による子育て論である。デーブスペクターによる英語教育論が秀逸。ほかも外れがないが、ニトリの創業者の話も面白かった。朝日新聞に連載されていたのは知らなかった。
読了日:2月26日 著者:
経営はロマンだ! 私の履歴書・小倉昌男 (日経ビジネス人文庫)の感想
日経新聞に連載されている、私の履歴書をまとめたもの。宅急便を作った男、小倉昌男さんである。日本郵便を超えるサービスは、いまや私たちの日常にはなくてはならないもの。行政との闘いの歴史は、痛快ですらあった。引退後の福祉活動については、まったく知らなかった。清濁併せ飲むという言葉が、なぜか印象に残っている。ビジネス書の類だろうが、手元に残しておきたい一冊。信書問題によるメール便撤退のニュースを聞いたばかりであり、ヤマト運輸の次の一手を興味深く見守りたい。
読了日:2月26日 著者:小倉昌男
読書メーター
日数が少ない割りに効率的に読み込めた。
どれもよかったが、秀逸なのが健さんの『あなたに褒められたくて』。
あたかも健さんに目の前で話しかけられているかのような錯覚を覚えるほどで、ジンワリと暖かな名作だと思う。
2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3020ページ
ナイス数:240ナイス
世界から猫が消えたなら (小学館文庫)の感想
話題の本を読了。胸がじんわりと熱くなる読後感。人は何かを得る代わりに、何かを失うのだということを、あらためて感じさせてくれた。子供が生まれ、母が病を患った今の自分には、なおのこと深い。中森明夫によるあとがきがまた味わい深い。できれば何冊も買えという気持ちはよくわかる。
読了日:2月3日 著者:川村元気
あなたに褒められたくて (集英社文庫)の感想
先日、急逝した高倉健さんのエッセイ集。じんわりと温かい、なにか健さんの人柄が伝わってくるものであった。とにかく思いやりに満ちた人だったんだなと思う。日本人らしい、こんな男になりたい。小林稔侍さんとのエピソードが、とても心に染みた。
読了日:2月4日 著者:高倉健
無名 (幻冬舎文庫)の感想
出張先の高松で、酒場→ホテルで一気読み。沢木ファンとしては、これはかなり異質なノンフィクション作品。その対象は実の父である。その父親が余命わずかとなってからの対話、あるいは対話にならない思いという展開には、あっという間に引き込まれてしまった。この父親がいたからこそ、いまの沢木さんがあるように思えた。自分の両親は健在だが、いつかそんなときはやってくる。だからこそ、いま、現在を大切にしたいとも思えた。
読了日:2月5日 著者:沢木耕太郎
紙の月 (ハルキ文庫)の感想
主人公・梨花を中心に4人の登場人物のそれぞれの人生が展開される。緊迫するストーリーにハラハラとしてしまったが、さすが読ませてくれる。それにしても、お金で人生を破綻してしまう登場人物たちは非現実的な世界でありながらも、こんなことは誰の身にも日常的に起こる、あるいはすでに起きているんじゃないかと考えさせられた。あと、映画の帯がついていたこともあって、読んでいる途中、どうしても梨花と宮沢りえがかぶってしまったが・・・。角田作品、初読だったが、さすが人気作家と思わせるだけの内容で、他の作品も読んでみたい。
読了日:2月5日 著者:角田光代
ロスジェネの逆襲の感想
読もう読もうと思いながら、タイミングをうかがっていた本作。前作、前々作が痛快・面白小説だっただけに、圧倒的な期待を持って読み始めた。で、昨日は寝たのが3時。途中で読むことをやめられない面白さ。半沢自身の存在感が少し薄いようにも感じたが、本作でも勧善懲悪のストーリーが展開していく。次は、次は、という具合に、ページをめくる手が止まらなかった。出向先での半沢の活躍、これもまたよしです。『銀翼のイカロス』も早く読もう!
読了日:2月6日 著者:池井戸潤
バカの正体 (角川oneテーマ21)の感想
天才テリーが語るバカ論・・・かと思いきや、現代日本人に対して厳しく突っ込む人生論、人間論であった。怒りがメインの内容だが、以外にも内容や考え方はまともそのもの。説教くさくもあるが、あとがきで、自分もバカの一人なんだという一節を読み、テリーさんらしいなと思った。サクッと読めます。
読了日:2月9日 著者:テリー伊藤
一番、一番!真剣勝負の感想
朝青龍が横綱全盛期に発刊された本。おそらく朝青龍が口述したものだろうが、大相撲の放送を手がけるNHKの出版物だけあって、きちんとした作りだと思う。本書では、高校時代に日本にやってきてからの苦労話が語られるのだが、読んでみて思ったのは、実は朝青龍は大変な努力家であり、礼節をわきまえた人物なのではないかということ。激情型ゆえに、引退を強いられたのだろうが、現在の白鵬を見ていると、朝青龍がいたのであれば、どうなっていたのかと考えさせられる。読みやすく、朝青龍に好感を持ってしまった一冊だった。
読了日:2月10日 著者:朝青龍明徳
BRUTUS (ブルータス) 2015年 1/15号 [雑誌]の感想
毎年、つい買ってしまうこの特集。今回も、Amazonの「ほしいものリスト」に加えてしまった本が多数でした。
読了日:2月11日 著者:
憂鬱でなければ、仕事じゃないの感想
幻冬舎の見城氏とサイバーエージェントの藤田氏との書簡。見城氏の著書はあれこれ読んできて、また、共感もしてきたのだが、本書を読んだ限りでは、どこか丸くなったかの印象を受けた。親子ほども年の違う二人の経営者だが、ときに意見を異にしている部分があることは興味深い。彼らは成功者でありながら、いまだ挑戦者であり続けている部分には、何か印象深い感があった。
読了日:2月12日 著者:見城徹,藤田晋
風景は記憶の順にできていく (集英社新書)の感想
椎名誠が、これまでの人生を過ごした場所、縁があった場所を、あらためて訪ねその風景を確認するというノンフィクション。25年来の椎名ファンとしては、基本中の基本の新橋あり、幕張(浦安)あり、中野あり、ほか数箇所を訪ねた最後が新宿というのがまた味がある。それにしても、ほとんどの場所が変わってしまっているなかで、四万十川の流れ、それに西表の自然が変わっていないということには、何か印象的であった。
読了日:2月16日 著者:椎名誠
爆笑問題のニッポンの教養 現代の秘境は人間の"こころ"だ 芸術人類学の感想
このシリーズ、ちょこちょこ読んでいるが、今回の訪問相手の中沢新一さんは、太田が昔から敬意を持っている人物だけあって見もの。芸術人類学というと堅苦しいが、そのじつ、人間という生き物の研究。中沢先生が実践しているというアースダイバーには興味を持った。
読了日:2月20日 著者:太田光,田中裕二,中沢新一
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編の感想
このシリーズを読んだのは初めてだったが、さすがヒットしているだけあって面白い。各界の著名人による子育て論である。デーブスペクターによる英語教育論が秀逸。ほかも外れがないが、ニトリの創業者の話も面白かった。朝日新聞に連載されていたのは知らなかった。
読了日:2月26日 著者:
経営はロマンだ! 私の履歴書・小倉昌男 (日経ビジネス人文庫)の感想
日経新聞に連載されている、私の履歴書をまとめたもの。宅急便を作った男、小倉昌男さんである。日本郵便を超えるサービスは、いまや私たちの日常にはなくてはならないもの。行政との闘いの歴史は、痛快ですらあった。引退後の福祉活動については、まったく知らなかった。清濁併せ飲むという言葉が、なぜか印象に残っている。ビジネス書の類だろうが、手元に残しておきたい一冊。信書問題によるメール便撤退のニュースを聞いたばかりであり、ヤマト運輸の次の一手を興味深く見守りたい。
読了日:2月26日 著者:小倉昌男
読書メーター
by anken99
| 2015-03-10 16:29
| 読書
|
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